経済制裁を主張する人達がいます。
確かに、それによって北朝鮮の経済は重大なダメージを受けるでしょう。
しかし、金正日や労働党幹部が飢えるわけではありません。飢えるのは、中堅以下
の軍や政府の幹部、職員であり、末端の国民です。
経済破綻が深刻化する中で、労働党支配が崩壊するなんて考えるのは、甘すぎると
思います。仮にそうなったとしても、労働党に代わって北朝鮮を立て直す政権が現れ
るでしょうか。
東欧の、社会主義体制崩壊後の混乱を見ると明白です。韓国を巻き込んだ混乱にな
るでしょう。それを収集するのにまた莫大な犠牲を強いられるのです。
圧力に屈して、拉致の解決に前進が見られるかもしれません。しかし、その前進は
圧力を加えなければ得られなかったものなのかどうか、国交交渉にストップをかけ、
大騒ぎをしたこの2年間の経緯を見れば明らかです。
この2年間、誠実に国交交渉が進められていたら、その中で、あるいはそれと併行
して、拉致の解決は今以上に進展していたに違いないのです。