日本共産党も、ついに右翼の策動に乗り、経済制裁に同意した。票欲しさに世論
に迎合する、その世論は右翼が操り、マスコミを動員して作られる、結局日本共産党
は右翼と正面から闘えない。
君が代・日の丸然り、天皇制然り、そして拉致問題・・・、結局、議会主義に墜ち
た者の当然の末路である。
(蛇足だが、私は日本共産党の打倒を叫ぶつもりも、解党を期待するものでもない。
それは、現実政治において党が果たしている役割は、期待からは程遠いとはいえ、他
党によって代われるものではないし、党員の大部分は、主体性に欠けるなどの点を差
引いても、掛替えのない戦士だと思うからである。)
原点に戻って考えよう。
北朝鮮問題の原点は、過去の植民地支配を謝罪し、必要な償いをし、国交を回復し、
戦後も続いた敵対関係を終わらせることである。
拉致問題は「その上で」か「同時に」か「併せて」かは、微妙な違いがあるにしろ、
少なくとも、日朝の敵対的な関係を終わらせることと関連してしか解決しない問題で
ある。
「家族会」【や】右翼は(揚げ足を取られないように注意しておく、家族会を右翼
と言ったのではない)、当初から【拉致問題の解決なくして国交正常化はありえない」
と言ってきたが、これは不動の原則でもなんでもない。
被害者・家族としては当然の感情かもしれないが、国家関係をそれだけで動かされ
てはたまらない。
「遺骨鑑定結果」についての北朝鮮外務省の発表を、阿修羅で読んだ。
「日本が過去に約840万余人の朝鮮人を強制拉致して100万人を虐殺し、20
万人の朝鮮人女性の貞操を踏みにじっておきながら、今まで道徳的、物質的補償を何
も行なっていないことに朝鮮の軍隊と人民が民族的怒りをこらえきれないでいる状況
で、このような事業(拉致被害者と子女の返還、不明者の調査)を行なうのは難しい
ことであった」と言う。
北の言うことは全て駄目、と言う立場の者でもない限り、この主張には(数字の多
少に論議はあるかもしれないが)返す言葉もないのではないか。
今急いでやらなければならないことは、経済制裁などではなく、全く逆に、国交交 渉を開始し、緊張関係を和らげることであり、その中でこそ、もし生存者がいれば、 たとえ特殊機関と関係していたとしても、安心して名乗り出ることができるであろう し、真相に迫ることもできるのだと思う。