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「北朝鮮問題」討論欄

とおりすがりN さんへ　共産主義の信念

2004/12/18 銀河 ６０代以上 画家

　とおりすがりNさんの12/16日の質問に対して、11/.26「スターリン主義について 　問題提起」という私の投稿を校正しながら補足し、あなたへの回答にかえさせてい ただきます。

　北朝鮮に拉致された人々の消息がわからないし、北朝鮮政府の誠実な回答が得られ ない、しかも金生日独裁政権のもとでいかに北朝鮮人民が苦しんでいるかと言う問題 で、幾つかに議論が分かれています。
　一つは、北朝鮮と正常な国交を持ち経済支援をしよう。そうすることが拉致家族を 釈放させる方法社会主義へである。
　二つは、そうではない、そんなことをしても拉致された人々を釈放するような相手 ではない。また経済支援をしても軍と政府幹部が取ってしまう、経済制裁をせよ。
　三つは、北朝鮮人民の内乱を期待する。
　四つに、北朝鮮を攻撃せよ。
　だが論議は常に堂堂巡りか、相手の揚げ足取りになって来たのではないでしょうか。

　私はこれらの討論に何かが欠けているような気がします。靴のうえから足を掻いて いるような歯がゆさを感じるのです。ここに集う私たちは社会主義、共産主義を日本 に打ち立てたいという意思を共有しています。それを前提にして話したいと思います。 　北朝鮮はもともと社会主義国として日本の敗戦後に出発したのです。それはソ連に よって輸入された１面もあるが朝鮮において戦前からの果敢な共産主義者の活動が土 壌としてあったからこそ社会主義政権が成立したのです。彼らこそは抗日義勇軍とし て日本軍と戦った栄光をもっています。
　ソ連が１９１７年革命で社会主義国となった。その革命の成功により世界史は資本 主義から社会主義へと発展する以外にない道に入ったのであります。、ソ連邦の崩壊 後、今もその歴史は貫かれています。歴史は後戻りはしません。原始共産制から、奴 隷制、そして封建制から資本主義へと人類史は必然性をもって発展してきたように、 資本主義が帝国主義段階に達してロシア革命が成功し、それがスターリン主義に簒奪 されたとしてもひとたび社会主義革命が成功したという歴史的事実は変わらないので す。
　東欧にも１９４５年に社会主義国が誕生し、中国革命も成立した。社会主義とは労 働者階級が権力を握る国家です。しかしソ連は各国社会主義を自国の利益のために利 用し支配しようとしてきました。それに対して中国などと激しい中ソ論争があったり して社会主義諸国の団結が得られませんでした。１９６０年代はアラブや世界の国家 が独立し社会主義国と、独立国の人口が世界の３分に２になったとさも世界が社会主 義になだれを打つように言われた時期がありましたが、その内実を言う者は少なかっ たと思います。
　社会主義とは最も多数の労働者階級が権力をもつ国家であったのです。これをぷプ ロレタリアートアートの独裁というのですが、この独裁はどのような資本主義国より もはるかに民主主義的な独裁なのです。資本主義国でどの企業が、どの工場が民主主 義でありましょう。年に１度の選挙だけが民主主義の体裁を見せているに過ぎません。 資本主義国家内の民主主義はブルジョア独裁の一形態であるに過ぎません。社会主義 は資本家の自由を奪います。
　だが資本主義国家内でも労働者の戦いによって民主主義的権利が勝ち取られます。 その場合でも国家権力は決して労働者階級に渡されるものではなく制限された民主主 義であるに過ぎません。私はこのような資本主義国家の中で勝ち取られた労働者人民 の民主主義的諸権利はそのことが目標ではなく社会主義革命に利用するべき橋頭堡と 考えます。
　しかし現実の自称社会主義各国の労働者が奴隷状態に置かれ、諸民族は抹殺されか けたのです。１９９０年前にソ連と東欧が崩壊しました。その崩壊の大きな原因は帝 国主義国家の圧力です。もうひとつの原因はスターリン主義の社会主義建設の不可能 性と、権力をスターリン主義の党が簒奪し、人民を奴隷状態に追い詰めてきたからで す。これは社会主義国家ではなかったのです。かつて社会主義国というものは地上に 建設されたことはなかったのです。社会主義革命は事実達成されたが社会主義は一国 で成立できないと思います。それは世界が帝国主義経済で貫徹されているからです。 たとえばもっと小さな規模で考えましょう。ある資本主義先進国で労働者が企業を自 主管理することは可能ではあるが、それは非常に困難で、資金源や原料調達、市場な どが自由に手に入れられないのです。また資本主義国内で社会主義的企業はロバート・ オーエンなどによって実験されたが失敗に終わり今では彼らを空想的社会主義者と呼 びます。世界という規模に話を戻すならば一国社会主義建設は不可能なのです。
　90年までに東欧、ソ連社赤い主義国は崩壊しました。残存社会主義国は中国、ベト ナム、北朝鮮、キューバのみとなった。しかも中国にせよ、ベトナムにせよこれが社 会主義といえないような、資本主義的経済、被植民地主義的経済が進み、やはり労働 者人民が苦しんでいる。また中国やベトナムの開放化とは逆に北朝鮮では独裁でしか 維持できないほどに人民を苦しめて辛うじて政権が維持されています。中国経済を過 大評価するのに対して私は帝国主義の市場に自国を明渡す売国者の経済だと少々乱暴 ですが考えます。
　では各国社会主義とは一体なんだったのか。大体において帝国主義が世界を支配す る１９２０年以降の世界において、一国社会主義建設が可能ではなかった。本質的な 問題はそこにあったのではないでしょうか。社会主義、共産主義というものは世界的 といえないまでも先進資本主義国、もっと突き詰めて言うなら西ヨーロッパ、イギリ ス、アメリカ、日本という帝国主義をそれぞれの国の労働者によって打倒されない限 り成り立ちようがないのではないか。
　その一国社会主義建設の不可能性に目をつぶり世界革命を放棄して、官僚的独裁政 権を作り上げ、労働者人民を奴隷状態に陥れ、監獄のような国家にしてきたのがこれ までの社会主義だったのではないでしょうか。そしてこのような似非共産主義をスター リン主義と呼ばれているのであって、朝鮮労働党もスターリン主義党であり、日本共 産党も本質はスターリン主義党なのではないでしょうか。政権を握った、あるいは握 らないスターリン主義党の表現上の違いがあるだけのことに思えます。それは共産主 義における左右の日和見主義の問題であるにもかかわらず、ここで問題にされたこと がなかったように思います。
　北朝鮮政府を打倒せよ、あるいは北朝鮮人民の内乱を期待する、あるいは太陽政策 で北朝鮮を救おう、それらの論に賛否があるが何か忘れていないではないですか。 　自分の国の革命の責務をさざ波の共産主義者は忘れていませんか。自分達帝国主義 本国の労働者が自国政府を打倒し、社会主義革命を樹立することが北朝鮮のみならず アジアに連動し、またこの国の革命のない限りアジアは帝国主義のくびきから解き放 たれることはない。世界の労働者との連帯とは、慈善事業ではなく、まさに日本革命 を成し遂げることではないでしょうか。
　私はスターリン主義という問題に対する洞察がここでは非常に不足していることを 感じ、北朝鮮問題をその中で捉え返さない限りはなんら明確な方針が出てこないよう に思います。
　スターリン主義についてこんなに短い文章では粗雑になりますがたたき台にしてく ださい。

　私は帝国主義がこのまま世界を支配し続けるならば人類は消滅するしかないと考え ます。帝国主義を打倒しない限り世界は地獄であり、労働者に見でなくあらゆる人に 耐えられない世界になると思います。たとえこれまでの社会主義革命がスターリン主 義によって簒奪され、惨めな失敗の経験を枝葉ともそれでも帝国主義を打倒するもの は世界の労働者階級によるしかなく、必ず世界の労働者階級はそれは成し遂げられる と考えます。しかも二度とスターリン主義者に簒奪されないで、社会主義・共産主義 を世界的に達成していくだろう、共産主義者であるならばそのような自覚を持ってい ます。「自信がおあり」なのではなく、確信と信念を持っています。