拉致被害者の家族の方々がどんな展望を持って経済制裁を要求しているのか、
わたしにはどうしても呑み込めないでいます。
これまで必死の思いで家族のゆくえを探しつづけた被害家族の方たちであればこそ、
結果的に拉致という北朝鮮の国家的犯罪をあぶりだすことができたのだと考えます。
そうした流れのなかで私達サイドでは推し量れない何らかの感触を得ておられるので
しょうか・・?。
これまでの日本側の動きを視点を変えて見てみると、経済制裁をするように政府に
働きかけることで家族の強い姿勢を北朝鮮側にみせる、一方小泉首相は経済制裁の発
動に難色を示して北朝鮮への過剰な刺激を回避しているように見せる。ある連携プレー
(意図的でないにしても)が成立しているように見えます。
この投稿欄で知ったのですが、日本共産党が経済制裁に賛成したという事を大変残
念に思います。経済制裁を発動することなしに拉致問題を解決させる何らかの方向性
を提案してくれるのが共産党だと期待していたかったです。
ともあれ
外交についてわたしたち庶民では計り知れない隠された部分があるということ、テ
レビで報道されることはかなり制限され当局の意向に沿わないニュースは報道されな
いか扱いが小さいこと等、注意が必要ではないでしょうか。
田原総一郎氏が司会する番組で、北朝鮮への経済制裁の是非をめぐって激論が交わ
されていた時、田原氏が独り言のように「もう骨の鑑定結果は出ているころのはずだ
が・・」と何度か繰り返しておられたのが印象に残っています。
横田めぐみさんの骨ではない、という報道が自衛隊のイラク派遣延長決定とほとん
どセットのように新聞に掲載された時、骨の鑑定結果の発表が遅れた(遅らされた?)
ことに意図的なものを感じてしまいました。
報道に煽られ流されてゆく事なく、被害者の無事帰国を勝ち取るためにどのような
連携が必要なのか、右翼、左翼と陣営をわけて対立している場合でもないような気が
します。
国家間のかけひきのなかで、踏みにじられた人権をなおざりにされてゆく人たちへ
の想像力こそ、現在私達に求められているものではないでしょうか。
最近読んで心に残った詩を紹介します。
拉致被害者
日高滋
たび重なるテレビニユースや
その関連番組を見るたびに
「こんな目に遭って はじめて
身に滲みてわかりました
大日本帝国へ強制連行され
強制労働させられたり
従軍慰安婦にされた人たちの
ご本人はもとより
ご家族の苦しみ悲しみが・・・・」と
誰もおっしゃらないが
とても不思議
引っ立てられた三万八千人の
中国人・朝鮮人のうち
七千人近くが往時に憤死
生き残った人の一割弱
三千人近くが
今日も生きておられる との
証言も出ているのに
日本人が損をするからでしょうか?
みんなが口を噤んで
(数字は、弁護士南典男氏による)04・11詩誌「呼吸」18所収
<管理人コメント>詩の作者名に誤りがありましたので訂正しました。