幼稚な例えですが、会社の金を使い込んで首になった男が、会社を逆恨みして事務員を人質にとって立てこもった。
社長が、「お前を首にしたのは当然だ、人質がどうなろうとお前は許さんぞ」と言ったら、世論の支持は得られるでしょうか。挙句に、男の人柄や仕事振りまで批判したら、助かる人質も助からなくなると思います。
普通は、「お前の言い分はよく聞くから、取り合えず人質は解放すれ」とか「危害を加えるな」と言うと思いますが。
家族会の言動に危うさを感じながらも、被害者の身の安全を考え、家族の心情を考え、批判しないで見守っている人が大勢いるのではないでしょうか。
本田さんが言うように、第三者が慮るようなことは、とうに考え抜いていると言うのであれば、何をか言わんやで、どうぞお好きなようにやってください。
ただし、日本の軍国化がいっそう進み、日朝間の緊張が高まって、破滅的な危機を招いたとしたら、その責任は北朝鮮だけではなく、家族会にも、その尻馬に乗って騒ぎ立てる無知な国民の一部にもあることだけは言っておかねばならない。
その国民の一部に、日本共産党も、家族会を支持するという本田さんも加わる覚悟かどうか、伺っておきたい。
蛇足ではあるが、北朝鮮が拉致を認め、被害者5人を帰したのはどういう状況だったのか。
平壌宣言により、国交正常化に向け新しい展望が見えたからではなかったのか。確かに、家族の帰国に当っては、日本国内世論を背景にした圧力が効果したと思われるが。
この先、経済制裁に道を開き、北朝鮮の【国民の】反日感情をますます悪化させた上で、どうやって過去を清算するのか。
金政権が倒れ、日本の傀儡政権ができたら、日韓併合と同じように、思うようになるとでも思っているのだろうか。
本田さんに指摘しておきたい。
拉致被害を国民、政府に広く訴え、救済を求める行動と、経済制裁とは質的に全く違うものです。