拉致問題で日本政府はこの前持ち帰ったおびただしい資料の精査の結果を公表
し、横田めぐみさんの遺骨など全てがデタラメだったと言い切った。
この結果を事前に知らされた横田夫妻や「救う会」による、けたたましい「北朝鮮
即時経済制裁要求」の声がこの師走の喧騒にも負けぬくらい響き渡っている。
「100%のデタラメ、北朝鮮は信ずるな」だが本当にそうなのか?確か資料が外
交官と一緒に返されたあと横田夫妻、そして救う会事務局は「横田めぐみさんの三枚
の写真は後ろの木の陰などから、合成されたものでデタラメだ」と言い切っていた、
だからそれはめぐみさんか「生きている証拠だ」とも言っていた。
確かにめぐみさんが無事生存していてほしい、しかし政府は精査の結果として「三
枚の写真にはおかしいところはなかった」と発表した。
これだけでも「100%のデタラメ」は崩れている、この矛盾に政府は殆ど触れて
いない。
しかしこの事で100%明らかになったことがある、それはしたたかな朝鮮金正日
外交に比べた、日本外交の弱さ・惨めさ、酷さぶりである。
6ヵ国協議、核問題を中心とする対米交渉、手の内には殆ど何もないのに間違いな
く世界を生き延びて来た朝鮮金正日外交、その手腕は見事というしかない。
元レバノン特命大使だった天木直人の「さらば外務省!」を持ちだすまでもなく、
ほんの素人の田中真紀子にかき回され、失礼だがバカ(ママ)と言うしかない川口順
子に国の全てを任せて世界中から笑いものにされ、アメリカのブッシュの言う事だけ
ハイハイと聞いて来た日本外交、小泉外交が朝鮮と言う小国に足元をすかされ、のた
打ち回っているのが今日の状況なのだ。
朝鮮・金正日だけが悪いのではない、「家族会・救う会」はまず日本政府に小泉に
矛先を向けるべきなのだ。
かつて大日本帝国の松岡外務大臣は国際連盟で「欧州の情勢は日本帝国には理解し
がたい」として国際連盟を離脱した、そして軍事大国化へ猛進を開始した、その結果
が第二次世界大戦である。
今情勢は戦前に非常に似通って来ている、この国はそして私たちも、余りにものアメ
リカ追従によって目を塞がれている、EU・ヨーロッパ情勢を殆どないがしろにして
きている。
拉致問題を切り口とした排外主義の異様な高揚は、このままでは間違いなく戦前へ
の回帰への道を走り出すだろう。
日本政府の意図した排外主義攻撃を粉砕しよう!戦前を再び繰りかえすな!