「北朝鮮問題」討論欄

在日の人を大切にしよう

2004/12/07 銀河６０代以上画家

　私は在日韓国・朝鮮人の知人と会ってもなるべく政治問題を他の人のいる場で話題にしないようにしてきました。　
　私は大阪の鶴橋近くで育ち今でも昔の闇市であった鶴橋国際商店街にチジミを食べに行きます。鶴橋界隈は日本人よりも韓国、朝鮮人のほうが人口が多いといいます。　平日は二人の姉妹と最近プサンから来た女性の三人で商売をしています。本当はオモニが日本の敗戦後にここではじめた商売ですがもう体が弱って娘に任せています。私は重荷と会えば抱き合うほど仲がいいのです。
　日曜日はもう一人の妹が手伝います。私たちは夫婦で月に一回行くのですが最も古い客です。まるで彼女らはぼく達が行くと兄弟のように喜んでくれます。口は悪いが情が深くひとたび信用すればまるで家族のようです。
　だが北朝鮮の独裁の問題や日本人の拉致問題などを決して話題にしません。彼女らは私が何を考えているかくらいは百も承知しているのです。一昔前までは韓国は軍事政権でした。この権力のスパイが鶴橋にはゴロゴロいたと考えて間違いがありません。朴を狙撃して弾が朴の妻に当たってしまったが処刑された男はこの鶴橋からテロに行ったのです。　
　その頃京大生でソウル大学の医学部に入った学生がスパイ容疑でソウルで逮捕されました。彼の日本での言動が嘘もまことも韓国の権力に通報され北朝鮮スパイ団団長であることを自白させられ投獄されていたのが民主化運動の高まりで救われたのです。自白は拷問による嘘の自白でした。また同じ京大生のAさんは激しい拷問に耐え切れず尋問質のストーブの石油をかぶったという事実もあります。その頃勧告に強制送還されたならば死を覚悟しなければならなかったのです。長崎大村収容所こそは地獄に送り込むためのアジア人強制送還のための収容所なのです。
　もっと以前70年代には新左翼の太刀川という学生がソウルでパク政権をだれかれなしに掴まえては罵倒したために逮捕され反共法で死刑判決を受けたことがあります。日本政府が救い出したのですが彼と話をした韓国の学生達もつかまったはずですがその先は知りません。
　今の日本でも韓国・朝鮮人、中国人、アジア人の政治活動に対しては厳しく取り締まり本国に送還するということになっているはずです。また韓国では民主運動と軍がいつでもせめぎあっていて何時再び軍事独裁政権が再来するかわからないのです。私たちはこんな事情を知らないである意味では嫌いな言葉ですが、どっぷり合法主義に浸かっているゆで蛙であってはならないのです。
「国家というものは支配階級(者）が窮地に立てば独裁になる」。これは私が勝手に作った法則です。　
　私たちは「万国の労働者団結せよ」という立場を守らねばならないが、安易な接触は彼らを死の危機に追い込むのですから、責任を持って接しなければなりません。インタナショナリズムは決して韓国、朝鮮人に政治、思想を吹き込むのではなく私たちが自分の国で果たすべき国際的責務を果たすことにあると考えるのです。それは北朝鮮に対する経済制裁をさせない戦いであったり、天皇制に反対、民族排外主義反対、それらの戦いをすることではないでしょうか。
　政治的には韓国、朝鮮人のほうが私たちよりもはるかに大人であり私たちは彼らから学ぶことの方が、教えることよりもはるかに多いと思います。今韓国は民主化の中にありますがそれは文字通り生死をかけて戦いとった民主主義なのです。私たちは他国の人と交流する時、深く相手の立場に立たなければならないと思います。金国雄さんが私たちにとって稀有の在日の投稿者であれば大切にしたいと思います。そしてもっと多くの在日の方やアジア人がここに投稿するようになって欲しいと思います。　金国雄さんの健康の回復を祈ります。