おそらく、日本の圧力(威嚇)に屈した上での、つじつまあわせだと思うが、北の金正日が、20数年も前の混乱期(戦争中)に誘拐してきた日本人の経緯をどこまで把握しているか。
また、当事者も、日本国民も、口をそろえて、軍国日本国家の誘導ともいえる経済制裁(朝鮮戦争へのシナリオか)になびくかにみえるが、そうなると、生死のわからぬめぐみさん及び孫のへギョンさんの身はどうなるのだろうか。
まだいるといわれる10数人の人々の拉致日本人の安否は。「冷酷で人間のすることとは思えない金正日(横田夫妻)」が、経済制裁によって、どういう態度に出るか。今でさえ、国民を食べさせることができないいびつな弱小政権が、ますます、困窮し、国民にそのしわ寄せがくるのではないだろうか。
私には、過去日本の残虐極まりない侵略戦争の謝罪もせず、今なお、苦渋のうちに生きる戦争被害者、従軍慰安婦の方々の痛恨も意に介さず、あろうことか、「教科書から従軍慰安婦も強制連行の記述もなくなってよかった」とうそぶくこの国の右翼政権を牛耳る方がたに、この日本をほんとのところ、どうしたいのか問いたい。
翻って、この日本が、北のような立場にあったなら、どうするのだろうかと、相手の立場になって、想像力を働かすことも必要ではないのだろうか。自分が自分の身内が、従軍慰安婦とされ、虐げられていたならと。あるいは、強制連行されて、拷問の末虐殺された父・祖父を持っていたならと。
悪夢の思いを起こさせる戦犯の墓参りに出向く鬼畜日本の首相。侵略戦争の旗振り役となった国旗・国歌を教育現場に強制する政権。天皇と一体となって、表面、和やかに、粛々と八紘一宇の復元を目論むこの国の愚行。こうしたアジアの民の心をかけらも感じぬかに見える右翼政権が、今、敢行されている。
もう、2年になるのだろうか。
北朝鮮バッシングのすさまじい報道に、この国のおごりと野蛮性、そして、猫も杓子もゆで蛙となってわめきだすこの薄気味悪い民度に、私は心底、戦慄を覚え、さざなみ通信に意見し始めた。軍靴の足音がきしきしと鳴り、メディアは沸騰し、イラク戦争はいまだかつて遠くの出来事として切り離し、10万どころか、20万以上のイラク人の死さえ、眼中に無いこの国の愚民。イラクではいまもなお、イラク人民のレジスタンスが続く。ファルージャの死の街となったところどころで、激しく深い人間の尊厳を問う声が上がっている。
日本国内は、軍隊をなおも、駐留させ、沖縄の基地から飛び立たせた米海兵隊は、アブグレイブ刑務者での拷問に加わり、一旦帰国した米兵は、今、沖縄の地で荒れ狂っていると聞く。日本人ジャーナリストが殺され、香田さんが殺され、この尊い犠牲の果て、無表情に「ファルージャの成果」に賛意を示す首相。
渦中の横田夫妻に、私はなにも恨みもないが、あなた方の役割が、この国の行方をどれだけ左右しているか、また、あなたがたの思いがめぐみさんやへギョンさんのためになっていくのか、今、一度、問い直してもらいたい。
拉致問題が、確実に、この間、有事法案を成立させ、強力な米国支援となり、沖縄の基地化をさらに促進させ、イラク人民の虐殺に大きく加担していることを、どうか、理解して欲しい。
そして、TBSから始まって、マスメディアは、いい加減に、してほしい。
あいた口がふさがらない。