北朝鮮のニセ遺骨問題について、9日の一部地方紙には、
共産党の志位委員長が記者会見で「北朝鮮の無責任対応を示すものだ。意図的なのか手違いなのか、協議、交渉を通じ真相究明することが必要だ」
とあった。私はこの「手違い」という言葉に驚いてしまった。手違いの可能性を信じていたのであろうか。とすれば、我々は重大なことでトンデモナイ手違いをする隣国を持ったことになる。仮にミサイルが飛んできても、意図的なのか手違いなの先方に問い合わせる必要があるだろう。もっとも、何かの手違いで、金正日が頓死する確率の方が高いかも知れないが。
ところが、同じ日の赤旗電子版では、「手違い」という言葉はなくなっていた。適切な表現ではないと気がついたようだ。それに代わって、今度は、北朝鮮の代表に当事者能力が無かったから、このようなことが起きたと断定していた。「手違い」の具体的中味を表現したものであろうか。ご丁寧に、当事者能力のある人間が席に着くように、先方と交渉しろと政府に申入れをしたという。
すると、北朝鮮では、当事者能力の無い者が、日朝実務者協議のような重要事項に関与し、独断で、ニセ遺骨を手渡すような国だったことになる。これはかなり恐ろしい国でもある。共産党は、志位氏の「手違い」失言を取り繕うために、ますます、深みにはまりこんでしまったのではないだろうか。
相手が未だ回答していない段階では、あれこれ予断でもって推測することは慎むべきである。私には、「手違い」の口すべり発言をあっさり撤回するのがベストだったと思われる。