再びテレビで北朝鮮への経済制裁が叫ばれる場面が増えてきて、空恐ろし
く思う。日本に生まれ日本国籍をもつ私達は、他国への制裁を主張する前に、自
国の政府の「対拉致政策」のありかたについて分析し云々する気風はもたないの
だろうか。
原爆を投下したアメリカに対する制裁とか、憎しみとかが表現されないのは被
爆者の二度と自分たちのような苦しみを世界中の誰にも味わわせたくないという
強い希いからなのだ。
だからこそヒロシマ・ナガサキを繰り返すまいというメッセージは、世界に共
感を呼び起こすのだろう。
「制裁」を主張することは、どこかおこがましい。むしろどこの国であっても
政府が制裁をもちだすときは、民衆は引きとめる立場にたつのが望ましいと思
う。
犠牲になるのは、世界のどこかのわたしたち自身に他ならないから。
横田さんは、これまで何度も日本政府に強く拉致解決を要請され続けてこられ
たのでしょう。必死な思いのなかで、政府へのもどかしさ、政党への失望なども
あったかもしれない。
でも何故、北朝鮮への制裁を要求されるのだろうか、本当の解決につながる算
段、当事者でしかわからない何かがあるのだろうか。
制裁によって苦しむのは、それでなくても貧しい北朝鮮に生きる人々なのに。
つい最近、瀬戸内海で漁民がアメリカ兵に銃で威嚇された、というニュースに
本当に腹立たしい思いをしています。この事件と、浅井基文氏のホームページの北
朝鮮についての項の一文を対比させてみるのもよいと思い紹介します。