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「北朝鮮問題」討論欄

「検証・拉致疑惑」の検証

2005/02/14 有島実篤 60代以上 自営業

 寄らば大樹の陰様の紹介されていた「検証・拉致疑惑」を読みました。
 帰国した拉致被害者がみな替え玉だとするなど、荒唐無稽な内容で俄かに信じられ るものではありませんでしたが、かと言って全く無意味かというとそうではない。十 分読む価値のある本ではあります。 まず、拉致、大韓機事件、不審船沈没などなど、どれもこれも北の仕業とされ、反北 朝鮮宣伝に大いに効果を上げたが、どうしてこうも失敗ばかりするのかという疑問が 解ける。最初から失敗する計画だったのです。
 大韓航空機事件については、韓国の情報機関が再調査をするそうです。「乗客の遺 体や遺品は一切発見されず、機体の一部とされた破片も不自然な部分があることなど が判明。(事件の1カ月後にあった韓国の)大統領選に関連して仕組まれたとの疑惑も 残っている」(朝日新聞)からとのこと。
 この事件については、当時赤旗が真相は分からないとの態度だったのに対し、宮本 顕治が不可知論の立場に立たないとか言って、北の仕業と断定したのを覚えています。
 「拉致」については、何故あんなことをやったのかという疑問が消えません。全部が 全部KCIAの仕組んだものだとは思わないけれども、かといって、言われているような 日本語教師や工作員教育用だとか、拉致被害者に成りすまし韓国に潜入するためだと いうのは全く説得力がありません。
 同時に、金正日があっさり事実を認め、被害者を帰してしまったのも不思議です。 KCIAの書いたシナリオに、金正日か北朝鮮の諜報機関が乗ってしまった、今そのこと を掘り返すと北朝鮮の面子が丸つぶれになってしまう・・・、というより体制ががたが たしてくる、むしろ拉致の責任を全部被っても、真相を暴かれるよりはいい、そんな ところでしょうか。日本もそのことは承知の上ということでしょう。
 あれもおかしいこれも分からないと言って、事態と正面から向き合わないのは良く ないことですが、マスコミに踊らされあれもこれも金正日が悪いと思い込んでしまう のも困ったものです。
 ともあれ、われわれがしなければならないことは、日朝人民の友好親善を促進し、 国交を正常化し、朝鮮半島と日朝間の平和を確実にすることです。北の体制と金正日 の問題はその中で解決されるものだと思います。
 核問題も、北に抗議し廃棄させることに反対ではありませんが、われわれ自身の責 任としてしなければならないことは、日本と韓国からアメリカ基地を撤去させ、朝鮮 半島に本当の平和を打ち立てることです。そのためにも、過去の植民地支配の謝罪と 償いをキチンとすることが欠かせないのです。