共同通信がアメリカのNBCテレビの報道として、「北朝鮮(共和国)が準備して
いる伝えられる核実験を阻止するため、米軍が実験場など核施設への先制空爆を行う、
緊急作戦計画を既に立案している」と報じている。
これは少し前に出た、「北朝鮮の核施設と思われる場所から煙が出なくなったので、
原子炉の稼動を停止し、使用済み燃料棒からプルトニュウムを抽出しているのではな
いか」との複数の報道を根拠にして、またぞろ噴出している北朝鮮の核武装の脅威論
ではあるが、なんとはない、その「先制空爆」の準備とは、昨年9月以降、米国防省
がグアムとインド洋のディエゴルシアに駐留する、B2ステルス爆撃機とF15戦闘機を
警戒態勢に置き、核施設除去の緊急作戦計画が発動されれば、何時でも北朝鮮爆撃を
実施できる状態にしている事の再確認報道であり、別に目新しいものではなかったの
だ。
しかしこれは「6ヵ国協議」という不平等会議を、北朝鮮がまともに刃向えば、核
であれ何であれ、米軍が既に北朝鮮へのイラク型先制空爆態勢を取っていることが、
アメリカのメディアによって再確認され、アメリカ国民に宣伝されたことでもある。
9,11以降アメリカブッシュは、アフガンでももイラクでもこれと同じような国
内宣伝をやり、そして先制攻撃に踏み切った。
北朝鮮戦争、第二次の朝鮮戦争の危機が、より一層身近なものになって来たのであ
る。
5月7日自衛隊は、私たちの15日間にも及ぶ連続した派兵中止申入れ行動にもか
かわらず、また家族や市民の嘆きや心配をよそに、200人の第一陣を「関空」から
イラクに派兵した。
しかも今回の派兵は、今まで「人道復興支援」の目玉であったイラクの人々への
「給水活動」を完全にはずした、治安対策を中心とした文字通りの武装派兵である。
ブッシュの匙加減によって、帰国した彼らが北朝鮮侵略戦争の先兵として、朝鮮半
島に送り込まれないよう、より一層派兵阻止の闘いを展開したいと思っている。