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「北朝鮮問題」討論欄

「通名」を使うと言う事、ある講演会での話

2005/07/02 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 教科書採択問題を巡っての教職員組合関係団体の主催と、自治体教育委員会後援で、在日の女性大学教授の講演会があり、参加した。
 講演は「つくる会教科書」で私達がどうしても重点を置いてしまう近現代史ではなくも、朝鮮半島の古代や中世・封建時代の記述に於いても意図的な誤りや引用の間違いが見受けられる、また「つくる会教科書」の執筆者には歴史問題の専門家がいないなど基本的問題があると、ソフトだが要点をよく突いた内容で好評だった。
 ところが前段で基調報告として発言された、在日の保護者の女性の、苦悩ゆえの意識の「ゆがみ」に直面し、在日問題の深刻さを改めて感じさせられた。

 今、在日の朝鮮・韓国人で朝鮮籍・韓国籍を保持しているのは約4割と言われ、若い女性の8割が日本人男性と結婚し、日本籍を取得する。
 この状況の中で在日の人々の子供たちへの教育は大変な気苦労が必要である、朝鮮籍の子ども達には、辛うじて民族学校(朝鮮学校)が確保され、母国語の勉強が確保されているが、各自治体からの補助金が大幅に削減されて状況はより厳しくなっている。
 一方、韓国籍の児童は大半が日本の公立学校に通っているため、日本語しか話せない子供が多い。

 この状況の中で、この保護者は、「子供が成長して高校に通うようになったので、一大決心し、通名(日本名)をやめて本名を使うようにした」と発言した、私も民族性を維持する為にも当然の事として受けとめた。
 しかしこの後、彼女は「日本に住んでいる以上、日本読みのキンが正しいから子ども達にもキンを使うように教えた」と言うのだ。 この保護者は「金さん」である、普通、在日の人々も日本人も、殆どが金と言う名前は「キム」さんと読み発言する。
 この事が後の交流会で問題となった、「人には名前はひとつだ、本当の名前を使えばいい」の意見が出た、私もその意見を当然と思い支持した、しかし金さん本人はその意見に最後まで納得しなかった。
 通名使用から本命への切り替え、それはこの日本に住む在日の人々・家族全体にとって、それこそ一大飛躍が問われると思う。
 しかも「拉致問題」と排外主義の重圧がある、戦後60年それでも日本人に気兼ねせざるを得ない在日の人々の苦悩を思うと、半分以上が在日人々参加の交流会だったのに、折角のビールも味気ないものになってしまった。