TBSお茶の間テレビでは、引き続き、みのもんた氏の茶番が展開されている。今回は横田めぐみさんの父親が登場。
昨日は、6者協議の中で拉致問題緒が排除されたことをうけて、「仕方がないですね」と、ゆで蛙ぶっていたのだが、本人を前にしてその論調はころりと変わる。否、北朝鮮バッシング派・排外主義者には、うってつけだったか。
「核は持つは、それを相手国に向けて備えるは、他国の人間を拉致するわ・・・こんな国を許しておくことなどできないですよね」と、横田さんにお追従。
ついで、昨日、「つくる会」の歪曲教科書が東京都教育委員会で採択されたが、その中心校である、中高一貫校の白鴎大の教授が「国民の生命と安全を守るのが国の義務ですからね」と、念押しする。
この人は、つくる会の歴史観をどう、評価しているのだろうか。とりわけ、都知事推進の学校に講師として身をおく状況下では、反対もいえないのは分かるが、日本の侵略戦争を是とし、戦争犠牲者の最たるものである従軍慰安婦も、強制連行もなかったことにする偏向教科書採択である。自信や誇り、日本国民の優勢をのみ強調し、加害の歴史を封印するこの教科書採択。なんでも、多額な金のヤリトリも取りざたされている。拉致問題はしっかりと載っている。
東京都の意図、つくる会の意図、右翼政権の思惑などなど、「金」と「戦争」をめぐってどろどろと動いているのを感じるが、横田さん当事者の「閉塞感」はものの見事に戦争策謀へと動員されている。哀れであるとしかいいようがない。
横田さんが頻繁なCMに妨害されながら語った言葉を紹介すると
「アメリカなら戦争をやるということができるのですが、日本の軍事力はありませんので(日本の軍事力をご存じない?)、やはり、経済制裁をやるしか・・・他の国が援助をするから効果がないということですが、日本が見せしめにするということでいい・・・」
要するに、この人の頭には、自らの不運に、報復したいという一心であるということか。孫の身がどうであれ、もしかするとめぐみさんが生きていようが死んでいようが、今となっては、憎き北朝鮮をぶっ潰すことしか頭にないともとれる。
何度も繰り返したくないが、北朝鮮の演説は、米国からイラクのような理不尽な転覆を受けたくないということである。対等な外交政策・対話で生きたいということなのである。核の傘下国や核保有国から絶えず脅かしをかけられて、ますます、軍事力を増強しなければならないのは、困るということである。
どうして、こうした力関係が分からないのだろうか。否、分かっていながら、きりきりまわる子ネズミをいたぶるイビリ政策を選択しているのであろうか。
北朝鮮の工作員が、顔・名前まで出して、日本で生き延びるために証言している。横田めぐみさんは、生きているとか、15人目の拉致被害者がいるとか(かつては60人といわれていたが)、相変わらず、賑々しい。
どうであれ、こうした日本の映像は、北朝鮮につつ抜けである。なぜ、今なのか。北朝鮮が寛容になったとでもいうのか。在日の人も観ている番組である。中国残留帰国者の問題も、強制連行や従軍慰安婦の問題も、その当事者も、日本に隣国に、歯を食いしばって生きているのである。こうしたテレビを見ているのである。
相手国の視点を、どうしてももてない、持ちたくない日本のある階層の人々によって、この国は、まぎれもなく、60年前と同じことを繰り返そうとしている。
おぞましいの一言である。