相変わらず、北朝鮮や中国は○、日本や日本のマスミには無条件に全て×を付 ける単純2元論の横行にうんざりする。これは、背景として自虐的史観に支配されて いる。別の言い方をすれば、「対外盲従分子」といわれて来たものと共通する。毛イズ ムや主体思想にかぶれ、そこからしか、日本(祖国)を見ることができない。つまり 日本を起点に物事を考えられない。
さて、戦後60年経って、日本は曲がりなりにも3権分立の民主国家として発展し た。台湾がそれに続きつつある。北朝鮮はどうか? 言論の自由、結社の自由はおろ か、生存の自由までない、全く発展のあとが見られない国で、依然として李氏朝鮮以 前の前近代レベルである。農民の困窮化は李氏朝鮮時代を凌ぐ。
経済はどうか?国家予算は2500~2600億程度で、農業、工業、インフラ等メタメタ 状態。ナベ釜も自国で作れず、全て輸入品(中国製)に占拠されている。社会主義国 間の経済侵略ともいうべき事態。他国のニセ通貨をつくり、経済撹乱作戦に打って出 たが、ニセ通貨が自国に環流し、それで混乱するという笑えない事態を生じている。 ここまでくると国家の基本的モラルの喪失と言える。
戦争状態ではどうか? 「民」の目線からみると、北朝鮮は当に戦争状態。一切の人 権を封殺し、戦時体制を維持している。結果、北の民は極度の被抑圧状態と経済的困 窮に陥っており、世界一不幸な状態に置かれている。党官僚から搾取され、軍から殴 打・略奪され、まさに逃げ場がない。戦時体制維持の常套手段は、外敵をつくること。 外敵を立てつづけないとのこの政権はつぶれてしまう。それの現われが核開発。これ が本質だ。
中国・北朝鮮の2国の共通項がある。それは2割の絶対幸福のために、8割を切り 捨てること。中国は、3億の富裕層のために、10億の民を貧困状態に維持する。各 地で、農民、住民暴動が絶えない。労働者・農民運動から生まれた政権が、労働者・ 農民を徹底弾圧する。従来の教科書的セオリ-からは、逆立ちしても考えられない。 その維持装置の道具が「人権抑圧」となっている。人民解放軍とは、中国共産党の私兵 であり、究極的な人民弾圧の道具となる。何のことはない、中国の老百姓にとっては、 易姓革命で、清朝から共産党王朝に弾圧する為政者が変っただけのことである。
北朝鮮は、400万特権階級の維持のために1800万の人民を飢餓状態に晒している。 更に北朝鮮の深刻なところは、国土と産業、農業を徹底的に破壊したことである。こ れが、何をもたらすか?今後少なくとも数百年間、中国への絶対的従属関係を固定し た。「千年従属」が脈々と続いていることを改めて実感する。この絶対的従属関係が、 脱北者を「抑圧」する基本関係になっており、公然たる人身売買も容認する。ひどいも のである。この金政権の罪は深い。
現代の悲劇は、これ等の共産主義国(マルクスレ-ニン主義を掲げる国)の人権抑 圧と貧困化が、アジアにおいては、20世紀に終わらず、21世紀に持ち越されてい ること。金正日と胡錦濤が「マルクスレ-ニン主義王朝」のラストエンペラ-であるこ とを願うのは、私だけではあるまい。
最後に不破執行部に一言。あの輝かしい自主独立の気風、伝統はどこに消えたのか? 何故、中国や北朝鮮人民の極度の人権抑圧と貧困化を見て見ぬふりをし、胡錦濤や金 正日政権にヘラヘラするのか?これ等について、厳しく批判的立場をとってこそ、日 本共産党の価値が出るというものだ。今のままでは自民党以下だ。