韓国の新聞「東亜日報」は8月10日「日本政府の朝鮮人徴用犠牲者遺骨調査は見せかけに終わる」と報じている。
小泉首相は昨年12月の日韓首脳会談で盧武鉉大統領よりの「徴用犠牲者の遺骨返還に協力して欲しい」との要請に対し「検討する」と約束した。
そして今年5月実務者会議でも人道主義・現実主義・未来志向で調査の原則で合意した。
更に6月の日韓首脳会議で徴用者遺骨返還問題で小泉は「できるだけ人道的観点で支援するだろう」と再度約束した。
これに基づいて韓国では「日帝強占下被害真相糾明特別委員会」が活発に調査活動を行い、日本側でも民間人有志による「朝鮮人強制連行調査団」が各地で結成され活動を行っている。
しかし、この日韓首脳会談で合意した両国による遺骨調査は、日本政府より各都道府県、政令指定都市に送られたのが何の拘束力を持たない「調査依頼」と「情報提供依頼」だったため、殆どの地方自治体が取り組みを放置、ないし放棄していおり、殆ど成果を上げていない。
北海道や九州の炭鉱、製鉄工場などの周辺には、徴用されそこで死亡した朝鮮人の遺骨が放置され無縁仏となったり、中には焼却された遺体の骨が何の調査や確認もなく粉砕され、原野に遺棄されたケースもあると言われている。
また日本政府が各自治体に調査資料として送った全国612社に及ぶ徴用者の雇用企業名簿は、県別に分けられているものの、業種名と市町名だけで肝心の「企業名」が書かれていないという。
朝鮮は儒教の社会である、日本のような立派なお墓は少ないが、祖先も大お墓と遺骨も大切にされ子孫によって守られている。
戦後60年、日本の町や村にはまだ行き先のない朝鮮人の霊が、無念を抱きながら祖国を求めて彷徨い歩いていることだろう。