「小泉総理の靖国神社参拝は、米国の戦死者と第 2次世界大戦参戦者などに対する侮辱でもある」
「米国はすべての手を尽くして、参拝を断念させなければなら ない」
これは韓国「ハンギョレ」通信が報道した12月1日に 開催された「韓米経済研究所」主催の韓中関係セミナーの席上 で、元「米国国務部国際安保次官選任諮問官」ドナルド・グロ スが「中国の浮上にともなう米国の挑戦課題と政策」を提示し た上で語った、小泉の靖国参拝に対するアメリカ政府の関係者 の本音発言である。
その場では、米国が中国の浮上時代(米資本主義の脅威とし ての中国)を迎え、米国のアジア安保の二つの軸である韓米、 韓日同盟関係を強化して相互補強するためには、小泉純一郎日 本総理の(勝手気ままな)靖国神社参拝を断念するように(米 国が)介入し、韓米同盟枠組みの中で、韓国の独立性と自立性 をさらに付与しなければならないとの主張が提起されたという 。
先の日米首脳会談でも小泉の靖国参拝にブッシュがクレーム
をつけたという報道はされていないが、アメリカ・ブッシュ政
権にとっても小泉純一郎の一人がってな靖国参拝は、決して許
されないものとして捉えられているのだ。
中国の急速な成長は、まず何よりも世界の支配者を自任する
アメリカ帝国主義のプライドを傷つけ、警戒心をより強めてい
る、また逆に帝国主義としてその市場に対する野心の高ぶりは
抑えようがない。
それに対抗し中国を含むアジア市場の支配を目論むには、ア
メリカの東アジアにおける同盟国である韓国、日本そして台湾
の関係強化が、決して崩されてはならないのだ。
それを「小泉の靖国参拝が脅かそうとしている」とアメリカ
は捉えているのである。難航する「六カ国協議」でも、アメリ
カの究極的な目的は、日本の拉致問題でも北の核でもない、い
かにして北と結びつきを強める中国の脅威を押さえ込み、その
膨大な市場を獲得するかである。
アメリカは何よりも「些細な小泉の靖国参拝」がその妨げと
なって、中国の、韓国朝鮮の、台湾の、そして日本の、アジア
の人々の反発の高まりを恐れているのである。
それにしても小人・小泉純一郎の思慮の浅はかさ、それに踊
らされ追従する私たち日本人の「板の目」にも等しい視野の狭
さを嘆かざるをえない。