今、開催されている「全国高校サッカー」で大阪府代表
となった大阪朝鮮学校が、あれよあれよと言うまに国見高校な
ど、強豪校を下してベスト8進出を決めた。
テレビを見ていると何にも物おじせず敵のボールを奪い取り
、的確なシュートを放ち得点を重ねる、彼らの姿はすがすがし
い。
しかし最も見事なのはディフェンスの上手さだ、早く粘り強
い。
確か今年は参加2年目になる。
日本の大学が長い間、朝鮮学校卒業者を専門学校扱いとして
「受験資格なし」と排除していたころと較べれば、彼らは幸せ
者かもしれない。
ずっと苦渋を飲まされ続けてきた彼らの先輩たちは、今頃彼
らの活躍ぶりににやっと溜飲をおろしているのだろう。
テレビを見ていると隣の女性が「やっぱり朝鮮系の顔やね」
とつぶやいた。
ところが画面が変わって敵陣の日本の学校の監督やコーチの
顔が映ると「あやこっちの方が朝鮮顔だわ」と慌てて切り替え
た。
そんなものだ、私には彼を区別出来る能力はない、同じ高校
生がひとつのボールを懸命に奪い合っている、ひとつのルール
の下で技と気力を競い合っている、だから美しいし、感動をあ
たえるのだ。
差別は全て歪んだ先入観でしかない。
大阪朝鮮学校の球児たちが、栄えの栄冠を勝ち取る姿を見た
い。