このところ拉致問題でキム・グァンスと言う老人が拉致
の犯人だと言う「古くて新しい証言」が表ざたとなり、拉致議
連や増元さんを始め家族会が随分とお元気である。
そしてお決まりの結論は朝鮮(共和国)への経済制裁の即時
発動、制裁議論である。
流石にポスト小泉として「お墨付け」を貰う為か、かつてそ
の議論の急先鋒であった安倍晋三さんはえらく慎重を装ってい
る。
まあ、それほど待つまでもなくゴリゴリで黒々としたの地肌
はでて来るだろうがー。
さて本題はこれからである。
新年早々「天然ガス大国ロシア」がウクライナへのガス供給
をストップし、EU諸国を始めヨーロッパのがその「寒さ」に
震え上がった。
その後、懸命の交渉努力により取り敢えず供給は再開された
が、根本的な解決には至っていない。
小国ウクライナへのガス供給ストップが、なぜヨーロッパを
震撼させたのか?
それはかつて旧ソ連が、石油の独占的支配によって東欧諸国
の生命線を握り、それによって政治的にも跪かせ衛星国とした
と似通った構図にある。
今ロシアはウクライナを経由して、ヨーロッパの天然ガスの
25%を支配しており、これは今後も継続される、ロシアの影
響力の強い中央アジアを含めればそのウエイトは更に高まる。
ロシアは一大エネルギー大国なのだ、「ポスト石油」を含め
て、ヨーロッパはロシアにエネルギーの相当部分を依存をせざ
るを得ないのである。
ところがこの構図は我が日本にも当てはまる。
なぜって?、日本政府が東シナ海での中国のホンの僅かな天
然ガス採掘に異常な反応を見せているとおり、日本の弱点は食
料でありエネルギーである。
エネルギー問題が解決しなければ、幾ら改憲しても戦争も出
来ない、自衛隊の海外展開出も来ない。
今日本の有力な天然ガス資源はロシアのサハリンであり、シ
ベリアだ。
そしてそのパイプラインは、サハリンから北海道経由のルー
トとサハリン・シベリア、中国・北朝鮮・韓国経由ルート二つ
である。
日本政府は幾ら朝鮮(共和国)を経済制裁しようにも出来な
い、これが小泉が経済制裁に動けない理由の一つである。
幾ら家族会が動き、安倍晋三が策略を巡らしても経済制裁は
不可能なのだ。
朝鮮への経済制裁発動は、「中国・ロシアが同調しない限り
効果がない」と言う一般論のほか、このエネルギー問題、トヨ
タなど日本の資本が咽喉から手がでるように欲しがる安く優秀
な労働力の確保の問題、そして戦争となれば韓国・中国そして
ロシアの悪夢のような甚大な被害など、まさしく百害あって一
利なしなのだ。
拉致問題は日朝国交正常化と日朝間の正常な貿易関係の樹立
、近隣国としての人々の自由な交流が開始されて、始めてその
「真相」は究明される。
経済制裁の強行は朝鮮(共和国)の破滅ではなく、この国の
「破産」を召致すると言って過言ではない。
それは今、アメリカがイラクで実際行っている「愚考」の再
現であることを私たちは知るべきだろう。