2月4日からの日朝協議は、全く進展のないまま終わった。2/7の日刊現代の天木直人氏の指摘通になったので全文を引用して見たいと思う。
「また始まった日朝協議の欺瞞」
2月4日から始まった北朝鮮との包括並行協議ほど国民を欺く外交はない。
拉致問題の解決を優先する日本と、解決済みと言い張る北朝鮮。これが本当でであれば交渉はとっくに打ち切られてしかるべき。平壌宣言は破棄されるべきだ。
それにもかかわらず日朝双方が交渉継続に固執するのは、なぜか。そこには小泉首相と金正日総書記の奇妙な利害の一致がある。
小泉首相はとっくの昔に拉致不明者の救出をあきらめている。04年5月の第2回訪朝の際、小泉首相が拉致問題の解決を口にしたとたん、金正日総書記は不快感をあらわにし席を立とうとした。あわてた小泉首相が袂をつかまんばかりにこれを引き留めたという。この時点で拉致不明者を救出する意志は小泉首相の頭から完全に消えた。しかしこのまま北朝鮮との交渉を打ち切るわけにはいかない。それは拉致不明者の救出を願うからではない。ノ-ベル賞ものだと喜んだ日朝国交正常化が自分の手から逃げていくからだ。電撃的訪朝が笑いものになって終わるからだ。何としても在任中に格好をつけておきたい。
一方の金正日総書記は1兆円とも囁かれている日本からの援助がのどから手が出るほど欲しい。交渉を打ち切りたくないという小泉首相の弱みを突いて日朝国交正常化の進展を誘っているのだ。「あなたの手柄になるのですよ。拉致問題は引き続き両国で真相を究明するという形で棚上げして歩み寄りを・・・・」と。
考えてもみるがよい。もし拉致問題で進展があるのなら小泉首相がすっ飛んで行くはずだ。核・ミサイル問題の唯一の交渉相手は米国だと決めている北朝鮮が日本を相手に譲歩するはずはない。そのことは日本も百も承知のはずだ。結局今度の交渉も、援助をちらつかせた国交正常化交渉をエサに、北朝鮮を協議の場につなぎとめる日本の時間稼ぎにしか過ぎない。
それにしても情けないのが外務官僚だ。「あなたが(靖国へ)行くなと言っても私は行く」。昨年11月16日の日米首脳会談で、小泉首相は自分からブッシュ大統領に伝えたという。これを聞いた外務省幹部は、「総理がそこまでおっしゃる以上、対中外交でわれわれの出る幕はない」と立ちすくんだという(毎日新聞3日付)この情けなさが拉致問題の交渉にも表れているのだ。小泉首相の功名心を満たすだけの外交を演出する外務官僚。どこまでも漂流する日本外交である。以上
非常に適切な分析だ。日朝交渉は直ちに打ち切るべきだ。そうでないと、また誘拐犯に身代金を渡すような愚を繰り返すだけだ。この政権が崩壊しない限り、何も解決しないだろう。拉致被害者や身内の方には気の毒だが、共産党指導部のように、自分達を批判するから反共だ、反動だ、敵だと決めつけるつもりは無いが、この問題を憲法改悪に利用しようという勢力がいる以上、それに対する戦いを優先させざる得ない。経済制裁は、排外主義的民族主義を煽り、日本の軍国主義化を加速させるだけなので賛成できない。
北朝鮮の農業政策の最大の誤りは、山の頂上までトウモロコシ植えていることだ。日本でもミッチ-ブ-ム(天皇の結婚の時)と高度成長の中で、雑木林や広葉樹林を伐採して、杉の植林を全国で行った。その結果、杉は広葉樹の1/3以下しか根の強度ないので奥山で土砂崩れが起き、木材の自由化とともに人工樹林は荒廃している。また杉林は、死の森と言われるように、虫もいないし、鳥もいない。しかしこの程度ならば、まだ解決の余地がある。
世界中に段々畑があるが、山の頂上までトウモロコシを作付けしている国は無い。有っても水田か果樹である。
一年生草本、つまり草を森林を伐採して、山の頂上まで植えるのは、狂気の沙汰である。ましてや、トウモロコシは肥料の大食漢と言われている。それを密植。よくもこんなでたらめができるものだ。
結果どうなったか。表土が崩れ、川が埋まり、更に、それが流出し、海まで堆積し、船着場を造ったら、出来上るまでに水深が浅くなって、船が係留できないという。だから日本や韓国でたいした被害のでない台風が通過しても、大被害が起きるのである。
ほっとけば、この政権は崩壊するだろう。それが拉致被害者を救出する一番の近道ではないだろうか。