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「北朝鮮問題」討論欄

30年代のような今、へギョンさんはお元気だろうか

2006/04/18 長壁 満子 40代 金融

 いよいよ、北朝鮮問題が、戦争シナリオどおりに運ばれ ていく。
 最大の拉致という駒が速やかに動き出したようである。先に はNHKが3回か4回にわたって、金正日政権実態を検証していた 番組があったようだ。
 いつでもおもうことだが、今、なぜ、米国やイスラエルでな く、被侵略国側の北朝鮮の検証なのか。戦争時代の検証なら、 かりにも、米国の占領下にあった「韓国」の政権こそ、もっと も、シビアに検証する必要がある。南侵ひとつとってもそうだ が、その背景いきさつをきっちりと説明しなければ、所詮、一 方的な見方に過ぎなくなる。
 一見、冷静な検証番組を装っていたが、証言者は、すべて、 大国側のもの。当時のある程度の地位にいた人間たちの証言は 、なにやら悲壮である。
 私は、運動仲間からこの番組を知らされたが、さすが、NHK とアベとの結託を感じただけである。この期に及んで、見事な 戦争シナリオを見せてくれたという感想を持ったに過ぎない。
 さて、国内では、今頃になって、へギョンさんの父、つまり 、めぐみさんの夫が拉致された韓国人とわかっただの、DNAだ のなんだの、鬼の首をとったかのように、かまびすしいが、朝 鮮半島出身者らしいことは、最初から分かっていたことではな いだろうか。先のめぐみさんの骨が、ネイチャーという科学雑 誌で暴露された結果、日本の鑑定がまやかしであったことがわ かった。この事実を検証もせず、いつまでも、高みからものを いっていても始まらないのではないだろうか。
 朝日新聞もしんぶん赤旗も、こと、国際関係になるや、それ が米国の世論と関係するや、隷属状態になる。自立した視点が もてないのである。
 北朝鮮の核だ! イランの核だ! と騒ぎ立て、戦争を煽る 駒に踊る愚はやめてもらいたい。私は、アルジャジーラやイラ ンを空爆する意図を持つ米国の戦争狂気をこそ、厳しく、検証 し、このようなおぞましい大国を世界の世論が監視しなければ ならないと思っている。
 米国民のまともな良識に、連帯しなければならないと思って いる。米ネバダで大規模爆発計画をたて、地中貫通兵器6月に 実験などと、報じなければならないような、今の世界状況、ジ ャーナリズムこそ、大検証するときである。
 へギョンさんは、ますます、素敵なお嬢さんに成長されてい るようだ。横田ご夫婦も、いつまでも、戦争勢力におどろされ ていないで、へギョンさんに一刻も早く会い、自然に交流でき るようにされてはどうか。そうすれば、イヤでも、めぐみさん の詳細は分かってくる。なによりも、へギョンさんの苦渋がさ るだろう。
 日本に帰国された地村さんや蓮池さんの娘さんや息子さんの お友達とも、会えたほうが良いだろう。ご両親と一緒だからお 元気であろうと思うが、私は、突然、日本に帰国され、祖国を 悪く言う日本人たちのなかでどのような思いで、いままでの人 生をふりかえっておられるのかと、気にかかる。
 日本人は、まことに、想像力に乏しい国民性である。
 他者への思いやりこと、それが、想像を働かせなければなら ないことになるや、思考は、ブチ切れるようである。
 1930年代もこうして、戦争に突っ走っていったのだろう 。