世界で一番非人道的な政権と言えばアメリカ・ブッシュ政権である。
最近でもイラクでは24人もの子どもを含む人々を、武装勢力と決め付けて米軍兵士が虐殺した。
確証もなしに武装勢力・テロ勢力と断定したイスラム教徒を手錠と足かせでかごの中に閉じ込めたキューバのグアンタナモ米軍基地では3人が自殺に追い込まれた。イラクやアフガンの米軍拘束施設では120人が死亡したとの報告もある。
しかし、こんなことは「自由と民主主義の超大国」アメリカにとってはただのどうでもいい、日常茶飯事的な出来事にしか過ぎないのだ。
かつての9,11事件直後は90%をはるかに越えたブッシュ政権支持率はイラク戦争が泥沼化し米軍兵士の命が2400人以上失われた今20数%にも低落し、政権として息も絶え絶えのところである。
ところがこの非道きわまるアメリカを、「すばらしい人権の国」と称え、世界の嫌われ者ブッシュを「人道主義の政治家」として賞賛した人がいる。
言うまでもなく横田めぐみさんの母、横田早紀江さんである。
この間、横田夫妻をはじめとする拉致被害者はアメリカを訪問し、ブッシュに会い議会で証言を行った。そしてめぐみさんの夫とされる金英男さん家族を日本に招いて集会を持った。更に今度は訪韓し拉致問題解決のために「日韓連帯」を訴えた。
しかし、韓国では金英男さんのお母さんの崔桂月さんと姉の金英子さんが「朝鮮南北離散家族再会事業」の中で朝鮮(共和国)を訪問し、再会が実現する事が決定した。
しかも金英子さんは、訪日の時に会った日本政府高官と拉致被害者家族の言動について、「相手方には何か意図があるのではないかと感じ、失望した」と発言している。
かつてめぐみさんの娘ヘギョンさんが朝鮮で元気で暮らしていることがわかった時、横田夫妻、特に滋さんは「北朝鮮に行って孫に会いたい」と何回も発言し、肉親の当然の情として涙を誘った。
しかしその後、この願いは、安部晋三など拉致問題を政争の具として利用し勢力を強めた拉致議連など「ブルーリボン」の政治家によって引き裂かれ、いまだ実現していない。
かつてある拉致家族の一人は「拉致問題はアメリカによる北朝鮮爆撃によってしか解決しない」と言い切っている。自分の娘が生存している国を爆撃していいとする親とは、人道主義とは一体何なのか。
祖父母と孫が会うのは当然である、人道主義に政治家介入してはならない、政治家は人権や人道を政治利用してはならない。
ある新聞に小泉純一郎が在任中に、もう一度訪朝する可能性を論じていた。
小泉にはその引退の「花道」として、靖国参拝や教育基本法改悪、共謀罪制定、医療制度改悪ではなくて「二度あることは三度ある」だ、三度目の訪朝を行い、日朝国交回復と拉致問題の完全解決を図るべきである。
横田早紀江さん、小泉純一郎と一緒に朝鮮に行ってヘギョンちゃんと会っていらっしゃい。
そこからすべては始まるのだからー。