【北朝鮮人権法に対する日本共産党の見解と私の見解】
■共産党の主張 その1■ 拉致と人権侵害問題は全く性格を異にする問題であり、同列に置いてはならない。
※確かに「拉致事件」と「北朝鮮人権侵害問題」は別々の問題であるが、拉致は正真正銘の人権侵害問題である。それだけではなく、拉致は人権侵害を国家が率先して行った犯罪であり「拉致事件」と「北朝鮮人権侵害問題」は北朝鮮という国家が犯した同列の「人権侵害問題」である。
■共産党の主張その2■ 脱北者問題は内政問題だから政府は係わってはならない。
※何を寝ぼけたことを言っているのか。いまや脱北者は、中国・韓国・日本は及ばず、モンゴル・タイ・カンボジア・ミャンマー・ベトナムから、シンガポールやマレーシヤ、遠くはロシアまで連なる「命がけの逃避行」を行っているのだ。だれが好き好んで生まれ故郷を離れたいものか! なぜ脱北しなければならなかったのかという理由を考えることはそう難しいことではないはずだ。共産党はこれを内政問題と強弁するのか。
■共産党の主張その3■ 拉致問題は、二国間協議・六カ国協議・国際的な場で解決できる。この法律には国際的道理もない
※今まで北と延々交渉を繰り返してきたが、一度たりとも北朝鮮政府から誠実な返答が有ったのか。嘘に嘘を積み重ね、被害者の心を坂撫でするだけではなかったのか。横田めぐみさんの遺骨にいたっては絶対許されない。
この間の経過は「二国間協議・六カ国協議・国際的な場」ではこの問題を解決できない事を露呈しているではないか。麻薬栽培・偽札作りのヤクザ国家に「国際的道理」が通じるのかを共産党に問いただしたい。
■共産党の主張その4■ NGOとの連携、財政上の配慮、その他の支援などの判断が国の裁量にゆだねられており、歯どめがない
※「NGOへの支援の判断が国の裁量にゆだねられている」ということは、国家がNGOをコントロールできることであり、歯どめが掛かりすぎて、NGOが自由に動けなくなることが懸念される問題である。共産党はNGOを敵視しているのではないのかと勘ぐりたくもなる。
■共産党の主張その7■ この法案は出入国管理へ悪い影響を与える
※脱北者問題が出入国管理へ悪い影響を与えるという共産党の主張は、脱北者が日本に入ってくることが「出入国管理へ悪い影響を与える」ということなのか。脱北者は日本に入ってくるな! ということなのか? 日本共産党の難民・外国人政策には排外主義的問題をはらんでいるのではないか?
■共産党の主張その8■ 国会での慎重な審議が必要であり、会期末に審議抜きに採決してはならない
※拉致問題は既に10年以上が過ぎ、脱北者問題も数年が経っている。共産党は1988年に国会で拉致問題を追及していたはずだが、それを止めてしまった。
以来、この問題で今まで対案を出して来たのか。被害者家族は既に70歳を過ぎ、残されている時間はそう長くはない。この間共産党にも10数年の期間があり、立派な対案を出せたはずだ。
拉致被害者や脱北者にとっては生きるか死ぬかの問題であり、何年も前から分かっているこの問題を「会期末に審議抜きに」と言い放つことが許されるのだろうか?
※はっきりしている事は、この「北朝鮮人権法」に反対したのは、右翼外国人排外主義者と社民党と共産党だけである。
※日本国内には既に100人以上の脱北者が何の保護もなく生きている。彼らは日本人妻や在日韓国朝鮮人の末裔であり、戦前の日本と切っても切れない縁で結ばれている。彼らは北に帰れば収容所に入れられるのだ。
※なぜ彼らは北から逃げてくるのか。それは北ではもう生きていけないからだ!
彼らを助けようではないか!