私は多分、貴方が生まれた頃、スターリンやレーニンを崇拝し、毛沢東を愛し、ついでに白頭山の虎などと言われていた金日成はすごい奴なんだろうななどと思ったりして青春を過ごしていた者で、今では北朝鮮の金正日政権など、早く潰れてしまえばいいのに思っていますが、でも恥じ入ったり、懺悔する気にはなれないのです。当時付き合いのあった朝鮮総連系の若者たちが、熱狂的に北朝鮮や金日成を支持するのを見て、さすがに一寸付いて行けないなという感じもありましたが、戦前の朝鮮人の惨めで屈辱的な扱われ方を実際に見てきた私には、無理もないなと思え、今でも責める気にはなれないのです。彼等にしてみれば、初めて与えられた希望の星だった訳ですから。彼等の何人かは、その後の帰国運動で北朝鮮へ渡ったかもしれませんし、ひょっとしたら脱北者にさえなったかも知れません。一世紀以上に亙って、周りの大国から侵略、略奪、圧制を受け、歴史の激流に翻弄され続けた朝鮮半島の人々、今の北朝鮮のような、いびつな独裁政権が生まれるのも有りだなと妙に納得してしまいそうな、悲惨な歴史ではありませんか。でも南の李承晩政権だって相当ひどかったですよ。なによりも李承晩は南でも人気がなかったことは確かですし、それが北の攻撃を誘った原因の一つだと、今でも思ってます。日本人である私も歴史に翻弄され、いろいろダマされ続けた愚か者の一人なのだと思っています。でも恥じ入ったり、懺悔したりすり気はありません。そんなことをすれば、今、現在進行形の「ダマし」に又「翻弄」されると思うからです。