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「北朝鮮問題」討論欄

「原爆被害・気の毒だがやむをえない」

2006/07/13 寄らば大樹の陰 60代以上 苦闘するフリーター

 「この原子爆弾が投下されたことに対しては遺憾に思っ ていますが、こういう戦争中であることですから、どうも、広 島市民に対しては気の毒であるが、やむをえないことと私は思 っています」
 一体これは誰の発言なのか?
 これは、朝日新聞の特集「歴史と向き合う」第2部戦争責任 に載せられた、1975年10月31日、日本記者クラブが主 催した昭和天皇と50人の記者との記者会見での、広島への原 爆投下と被爆被害について質問を受けた昭和天皇ヒロヒトの回 答の全てである。
 もちろんここには「長崎」への言及はないし、原爆投下よっ て20万余の肉親を失ったヒロシマの人々への、未だその後遺 症に苦しむ被爆者への謝罪もなければ、開戦を宣告し、その結 果として国民国を無謀な帝国主義戦争に追い込み、その結果と して2000万アジアの人々を殺し、自国民310万人を死に 追いやった最高責任者としての、深い反省もなければ責任感も 全くない。
 これが原爆投下から30年を過ぎた日に行われた、記者会見 での「平和主義者・昭和天皇」の真実の、そして無残な姿なの である。
 この会見こそが、あの有名な「言葉のアヤ,お答えができか ねます」の現場なのである。
 これが国体の護持を何よりも優先し、戦争責任を逃れ、マッ カーサーに命乞いして沖縄を売り渡し、生き延びた卑劣な男の 真実の姿なのだ。
 そこには「人間天皇」などどこにもいない。
 これは、マッカーサーの「占領政策完遂のために無理選択し た道」など以前の問題である。
 敗戦によってもこの天皇ヒロヒトへ尚「一億総懺悔」で応え た国民、そして占領軍を「解放軍」規定し闘わず屈服した日本 共産党など、問題は多々ある。
 だが戦後60年余、この国は未だ天皇ヒロヒトの、天皇制そ のもののの戦争責任をなんら問うこともなく、今また、「北朝 鮮問題」を利用し、憲法改悪、軍事大国化、戦前回帰に突っ走 ろうとしている。
 しかし朝日のこの特集は、全てを「過去の過ぎ去ったもの」 として免罪しているかに見える。中曽根康宏を登場させ、「保 守にも責任論」として児玉や石原を取り上げている。
 しかも彼らが、天皇ヒロヒトの「退位論」を述べているにも かかわらず、ただ「責任論」で逃げている。
 これが、今や「大本営発表」の最先頭を自認する朝日の限界 なのだろうか。