アメリカが拒否権発動!もちろん朝鮮制裁論議ではなく、盟邦イスラエルの「ガザ侵攻非難」決議へである。
「民主的な選挙」で勝利したパレスチナのハマス政権に対し、イスラエルとアメリカは経済制裁を行い、経済と軍事面で徹底的な締め付け・絞殺政策を取っている。またレバノンでも人々の支持の高い政治組織ヒズボラに対しても圧倒的な軍事攻撃を行い、空港を破壊し、主要道路を爆撃、ライフラインへの攻撃すら行っている。
この攻撃よってガザとレバノンでは、すでに70人を超える犠牲者が出ているという、これはイスラエルへの反撃による数人の被害者と桁違いの犠牲だ。
しかもこの間、イスラエルは軍事的侵攻によって、パレスチナの政治家や活動家の拉致・監禁も行っている。
イスラエルはどちらもイスラエル兵の拉致事件に対する報復であると強弁しているが、これは国の保全の為にはパレスチナやレバノンの人々がどうなってもかまわないという典型的な帝国主義的侵略戦争以外の何ものでもない。
これが「同盟国」イスラエルを使ったアメリカの中東支配、石油独占支配の「民主主義的」な実態なのである。
しかもイスラエルはアメリカの庇護の下、アメリカ製の核を数十発保有し、高性能ミサイルで武装し、パレスチナやレバノンを「実際」に攻撃している、同じ核やミサイルでも「張子のトラ的な朝鮮」とは段違いなのだ。
日本が騒いで「意図的に作ったテポドン危険」とは全く違うのである。
それだからこそ、アメリカはアラブ諸国のイスラエルの侵略行為糾弾の安保理決議に、何ら迷うこともなく拒否権を発動したのである。
この間の朝鮮のミサイル発射実験に対する、日本の国連への朝鮮制裁発動工作は「国際社会」でも、あまりにも突出した強硬姿勢として、疑問が投げかけられている。
この前の、日本の「金」に飽かした国連「安保理常任理事国入り策動」とロビー活動、そしてその「惨めな破産」は「日本外交の貧弱な姿」を全世界にさらした。だが日本はまたその失敗を繰り返そうとしている。この国には「失敗に学ぶ」という基本姿勢はなさそうだ。
「同盟国」アメリカが「資源王国・ロシア」と、「世界の工場」と喉から手をだしてもほしい「膨大な市場」を持つ中国と、たかだか最貧国・朝鮮を巡って、正面から激突することなどありえない。
いずれの日か帝国主義国としての延命のために、中国やインドの市場争奪の侵略戦争を行うことはあるにしても、イラクでアフガンで、イランでつまずき、中南米で見捨てられ、まさに泥沼に足を取られ、八方ふさがりにあるアメリカ・ブッシュ政権にそんな元気があるものか。
しかしこれらの根本には、明日の食料にも事欠く2200万人朝鮮の人々をどう守っていくかを一番の基本に置かなくてはならない。
そして「金正日体制をどうするか」も、やはり2200万人朝鮮の人々の「決起」に全てかかっているということだ。