北朝鮮は旧ソ連や中国の強い影響化にあったことは間違 いない事実ですが、時には中ソ対立があり、中国の文化革命時 には中国から批判を受けました。そういったこともあり、北朝 鮮は次第に独自色を強めていきました。
「社会政治的生命体」論とは、金正日によって体系化された
主体思想のことです。そして思想というよりは、宗教です。首
領を最高脳髄とし、朝鮮労働党を中枢神経とし、人民を手足ま
たは細胞とする三位一体の有機体国家論であり、現世の国家を
あたかも生命を持つ血の通った有機体のごとく観念する論です
。
金日成を特定の個人から永生世界の首領へと奉り上げ、金日
成の息子の金正日としてではなく、「首領」を受け継ぐ者とし
て正当化する必要があったのです。
首領を中心とする永生世界は、現世に存在するもの、つまり
現世宗教となったのです。その世界を「社会政治的生命体」と
いう。
ちなみにマルクス主義は、70年代にはすでに北朝鮮のイデ オロギーとしては威力を失っていました。
石原都知事や右翼は北朝鮮を反共宣伝の道具として利用しま すが、北朝鮮は社会主義、共産主義とは無縁の全く正反対の独 裁国家であり彼等の反共攻撃は御門違いです。