北朝鮮の核実験は暴挙だということは言うまでもない。しかし、アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシア、インド、パキスタンなどの核保有国は北朝鮮を非難する資格は全くない。アメリカと軍事同盟をばっちりと結んでいる安倍政権なんかも同じだが、一層の制裁を加える!断じて許せない!断固たる措置をとる! と息巻いてみせている。敵基地攻撃でもやってのける気なのか?
問題の所在は何か、もともとはアメリカから「ならず者」呼ばわりされ、先制攻撃の脅威にさらされていた北が、ひたすらアメリカとの二者協議を通じて平和条約を結びたい、と懇願していたのに、アメリカはこれを拒否し、、ついには六者協議からも離反させたこと、これに対してアメリカの金融凍結制裁が加えられ、これに反発してミサイル発射となったことは周知のところだが、アメリカは断固として解除を拒絶、かくて核保有宣言から核実験の暴挙に至ったという経緯がある。同時に、かっては日本とも日朝ピョンヤン宣言を出して国交実現の寸前にまで至ったが、結局は決裂状態に至っていることも重要だ。
現在の北朝鮮は八方ふさがりの様相を呈しているが、それに強力な制裁が加えられると、取り返しのつかない暴発の危険も考えられる。大事なことは、まず、アメリカが金融凍結を解除し、二者協議に応じて米朝平和条約を締結すること、日本もピョンヤン宣言の段階に戻って国交を実現し、同時に南北朝鮮の統一を支援していくことにある。
いつまでも「北朝鮮脅威論」を沸騰させつづけることは、新たな制裁措置の発動に向けて張り切る安倍や、国連安保理で活躍ができる外務省、さらにはミサイル防衛構想の推進と省昇格に断然有利となる防衛庁あたりを悦ばせるだけで、われわれ貧乏人や庶民には何らえるものはない。金正日軍事体制は平和攻勢には耐えられない体質であり、自滅の道を辿っていかざるをえないと確信する。 10/10