朝鮮系日本人があっても良いのは、その通りです。
ただ私が言っている民族のアイデンティティーとは、内面的な民族文化のことであって、血筋や外形的な文化(服装や食文化など)は問題としておりません。
そもそも民族にとって最も大切にしなければいけないのは、内面的・精神的なものではないでしょうか?アメリカであればそれはフロンティアスピリッツであり、日本では大和魂みたいなものです。
しかし外国に何世代にもわたって住み続ければ、内面的な文化はその国の文化に染まらざるを得ません。これは拒もうとしても拒みきれないものです。
在日も例外ではありません。例えば、在日の人たちは祖国を旅した際、その国の人たちとは違うものを内面的に感じ取ったでしょうし、本国の人たちも在日の人を自分たちと同じ国民とは、本心ではみなしていないでしょう。
その証拠に、在日の人たちは差別と闘いながらも、日本に住み続けているではありませんか。本当に民族の保持を大切にしたいのならば、本国に帰国すべきはずです。
そうしないのは、精神的にはすでに日本人と同じ価値観を共有しているからでしょう。この場合、民族とは単に血筋が朝鮮系であるというだけで、民族としての本質は喪失しているとみなしてよいと思います。
それにしても思うのは、日本人と韓国・朝鮮人との間の文化的差異は、欧米人との間の差異よりも大きいなあということです。これは恐らく、歴史的に中世としての封建制を経験したかしないか、の差異に由来するのでしょう。
封建制が国民文化の形成に与えた影響は大きく、世界で最も封建制が発達した西ヨーロッパと日本が、現在先進国と呼ばれているのはまったくの偶然だとは思えません。
それに対して朝鮮半島は(中国もですが)、20世紀初頭まで古代的な律令体制が存続した国です。もちろん、だからといって韓国や中国が先進国になれない、などと言うつもりはありません。経済的・物質的に先進国になるのは時間の問題でしょう。しかし、彼らの行く手に山積しているのは、精神的な難題であると思います。