ある地区の「9条の会の学習会」に参加した時のことである。
講師は大阪の朝日新聞編集部の記者。
質問の時間で、少し前に聞いたイラク人ジャーナリストのイラク情勢と、日本のマスメディアの報道内容に大きな違いがあるので「なぜこうも違うのですか?今の朝日をはじめとするマスメディアはかつての大本営発表によく似てきていませんか」と聞くと、その記者は「朝日の場合イラクには入れず、カイロで各国の報道を取捨選択して報道している」「いまのマスメディアはあまり信用しない方がいいですよ」とあっさりと「報道の大本営化」を認めたのである。
本多勝一さんなどは「今の朝日新聞はかつての読売新聞化してきている」「読売は独自調査記事など、かつて朝日新聞が得意にしていたことをやっている」などと評論しているが、現場の記者もそのことを感じているのだ。
イラク報道以外でも、現場の記者が頑張っていい取材をしても、大半がデスクの段階でカットされて記事にならない。
これが今のマスメディアの実態なのであろう。
大本営発表化はもうすぐそこまで来ているのかも知れないる。
自衛隊の撤退開始され始めて、初めて装甲車の転倒による3人の怪我が発表された。
これは帰国まで時間がなくなり、もう隠すことが出来なくなったからやむ得ず発表されたものだろう。
劣化ウラン弾被爆や、帰国後の隊員の自殺など、これまであまり明らかにされなかったことが、今後どう報道されるのか関心を持って見守りたい。