今、イラクの聖職者がすべきことは、攻撃は侵略者、占領者とその傀儡のみに絞られるべきであって、シーア派あるいはスンニー派全体が敵ではないということだ。
アメリカ、イスラエルの側が侵略者であることは当たり前だ。しかし、イラクのボスニア化、カフカス化、コソボ化は阻止せねばならない。イスラエルはレバノンを石器時代に戻そうとしているし、アメリカはイラクの石器時代化にあきたらず、民族・宗派・部族ごとに解体しようとしている。
自衛隊なども特定部族に護衛を頼み、報酬を渡すことでイラク国民内部でえこ贔屓感を感じるように仕向けている。復興事業といいながら、ある部族ばかり優遇して、他の部族に妬みを起こさせ、分裂を引き起こすようなことがあってはならないだろう。
植民地支配者はしばしばこういう贔屓の優遇部族を作って対立を煽ってきた。そういう古臭い手段はもう20世紀で終わりにすべきなのだ。部族対立が延々と続き、肝心の植民地体質から抜け出せない地域がいかに多いことか。スーダンでも、ミャンマーでも、インドネシアでも。敵はあくまで侵略者、占領者とその傀儡なのだ。