本欄には若干投稿が少ないようなので、少し述べさせてください。
「開戦」から4年経ち、メディアでも特集が組まれています。
私はその年(03年)7月に「とんだ解放戦争であったことが明らかになっている」というように、本欄に書きました。「終われば人が死なない」はずだった「解放戦争」後、今も一日あたり70人(この1年は)の死者が出ている、という。開戦の「大義」に正統性がなく(国際法違反)、占領政策も誤っていた(たとえば宗派が政治対立に前面に出てきたことは、それまでイラクの歴史になかった、と東京外大の酒井啓子が繰り返し指摘している)ことは既に明白でしょうが、いまも我が国の政府は(与党公明党も含めて)あの選択は「正しかった」と強弁しています。「美しい国」にこのようなことが許されていいわけはありません。
かつて本欄に、イラク人が民主主義を知らないのだ、という意見もありましたが、そうではなくて、占領者がイラクを知らず、戦争支持者が歴史を知らない、もしくは歴史に謙虚でないのだ、というべきでしょう。事実からして。
膨大な犠牲者の死をさらに無意味なものにしないためにも(こんな言い方は空しいけけれども)、私たちはこの「戦争」を検証し続け、その責任を問い続けなければならないと思います。