私は科学の真理は仮説を立て、そして実験してみて
初めてわかるものだと考えています。
たとえば、次の問題を考えてみてください。
(問題)雨粒にはいろいろあります。いわゆるどしゃぶりのときの雨粒の大きさは直径2~3ミリメートルほどありますが、いわゆる霧雨の時の雨粒の大きさは直径0.15ミリメートルほどしかありません。大粒の雨は、霧雨と比べて、直径で10倍以上、体積や重さでは実に1000倍以上も違うのです。
この雨粒が地上に降ってくるときの速さは、大粒の雨と霧雨とではどちらが速いと思いますか。
予想
ア.大粒の雨の方が速い。
イ.霧雨のほうが速い。
ウ.どちらもほとんど同じ速さ。
エ.時と場合によってちがうので、なんともいえない。
ある人はこう考えます。「雨の降っている光景を思い起こすと
どうしても大粒の雨の方が速く降っていると思える。」またある
人は「大粒の雨の方が大きくて重いのだから、速く落ちてくる
のに決まっている。」と言うのです。
また他の人は、こう考えます。「たしか学校では、大きな石
でも小さな石でも同じ速さで落ちると習ったっけ。」そして、
「この場合も同じ水滴だから、どちらも同じ速さでおちるに決
まっている。」というのです。
また他の人たちは、こう言います。「雨粒は空気中を落ちる
のだから、大きい粒は空気の抵抗で遅くなる。小さな粒の方が
空気をかきわけておちるのに都合がよいのではないか。」と言
うのです。
どの意見も聞けばもっとものように思えます。
では、正しい答えはどれでしょうか?
これはもう実験をしてみるしかありません。
この答えは実はア.なのです。それも2倍や3倍の速さの差ではありません。どしゃぶりの地上での速さは秒速6~8メートルくらい(時速にすると20~30キロメートル)で霧雨の速さは秒速0.5メートルぐらい(時速2キロメートルー人の歩速よりおそい)です。
だから原氏と潤氏の論争は次のように考えればよいのではないでしょうか?
(問題)
憲法を守るためには、どうすればよいと思いますか?次の中から正しいと思う答えを選びなさい。
予想
ア.改憲の民主党とは組まず、共産党は小選挙区にできるだけたくさん候補者を立てて戦う。
イ.護憲の候補者であれば、民主党であっても協力し、その候補者が勝てる見込みがあれば、共産党は候補者を立てず、護憲の候補者が勝てるために戦う。
ウ.その他。
どちらの考えが正しいか、それは実験をしてみなければ、わかりません。
こんどの選挙はたぶんア.の考えで戦われることでしょう。その結果ますます憲法が危ういということになれば、ア.は間違いであった、ということになるでしょう。
そのときはイ.またはウ.でやってみればいいのではないでしょうか? それでだめであれば、真理はエ.かもしれませんし、オ.かもしれませんね。