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「共産党の理論・政策・歴史」討論欄

今こそ「資本主義批判としての社会主義」を前面に出して訴えるべきでは?

2012/12/25 伊賀篤 40代 エンジニア労働者

 日本共産党は、ココを閲覧される方であれば御承知の通り、綱領にて2段階革 命論を唱えています。

 しかし、所得の再分配を後退させ、金融資本ばかりが肥大化して、出口の無い 隘路に入り込んでいる様に見える今こそ、安全保障上の日米安保の解消(1段目 の革命)よりも、むしろ社会主義の革命こそを前面に【明確かつ具体像を伴っ て】打ち出すべきでは無いでしょうか?

 別に、資本主義枠内での改革の為に日々奮闘し、改革が行なわれる事による庶 民にとって身近な成果を軽視しろというつもりは、私には毛頭ありません。
 しかし、日本共産党が、党名も変えずに、本気で共産主義社会を目指す党であ る事を、より【現代的かつ具体的に】前面に打ち出さずに、とりあえず今は「資 本主義の枠内で」などと、庶民から見れば…言葉は悪いかもしれませんが【弁 解】じみた事しか言っていないのでは、単に他党と比べればマシといった消去法 では無く、本気で「共産党」と名前が付いた党に投票して【自分達の統治を委ね てみよう】という積極的な支持には、いつまで経っても結び付かない気がしてな りません。そういった【積極的な支持】を広げなければ、自発的に党に参加して みようといった若い層を引き付ける事は困難であり、組織の拡大もママならず、 日本共産党はジリ貧の傾向からは脱却できないでしょう。

 ではどういった形で、今こそ「資本主義批判としての社会主義」を前面に出し て訴えるか?…という点ですが、私は単なるマルクス系の古典だけに依拠するの では無く、現代の数理的な主流派の経済学(ミクロ経済学)だけでなく、現代の 経済学では必須の数学的なツールである「ゲーム理論」や、20世紀最大の法哲 学者の「正義論」で有名なロールズを始祖とした規範理論の公理体系を数学的に 経済学に取り込んだ現代の「厚生経済学(非厚生主義波)」やら、それらから派 生した「社会選択論」も取り込んだ、今やマルクス以来の古典的な「剰余価値学 説」を乗り越える展望を示す所まで到達した、アナリティカル・マルキシズム (AM派=数理的マルクス経済学)にこそ、今後の展望を見出しています。

 紙幅の関係で、この分野の詳細な紹介は下記の私のブログ記事…

文明批判としての資本主義批判の現代における有効性について | 伊賀篤のブロ グ
http://blue.ap.teacup.com/nozomi/126.html
(2011/12/17付け記事)

 …に委ねますが、停滞して後継者も減少して久しい古典的なマルクス経済学の 「原論」は、大学でも講座を失っており、かろうじて「経済学史」という分野 で、講座が残っている現状を考えれば、この分野を大きく開拓して、全党的にも 現代的な【市場社会主義】の展望を、それが果たして一国で可能な社会主義なの か?…とか、一時的にブームになっていた「アソシエーション論」は本当に経済 学的に効率的な資源配分を齎し得るのか?…とか、大いに【言論における派閥】 を作って、党内で活発な議論をしている事などを「しんぶん赤旗」などでも紹介 すれば、我が党に対するイメージも大きく変わって来るのではないでしょうか?

 こういう事を言うと…党官僚の多くは…「党は討論クラブでは無い」…などと自 身の勉強不足を棚に上げる為の逃げ口上を言うのが常ですが、議論の無い党に… いったい誰が魅力を感じるでしょうか?

 結論として私は、結果先にありきの現在の党のイデオロギー状況を憂い、党の 刷新を図る為にも、今こそ「資本主義批判としての社会主義」を前面に出して議 論して訴えるべきだと考えます。