前に「代表取締役を社員全体の選挙で選ぶ」ということ を述べました。でもただ選ぶだけではダメで、他にも色々考え なければならないことがあります。
基本的な狙いはあくまで剰余価値の搾取を絶つことです。で
すから労働者の賃金を経営者(資本家)の都合で決めるのでは
なく、少なくとも 社員総会の承認を得るということが必要で
す。意見の対立は当然あるでしょう。その場合役員を(社員の
)選挙投票で任期途中で罷免するということもありえます。
また労働者が会社の主人公になるということは、権利の主張
だけではなく義務も伴わなければなりません。つまり、すべて
の社員は会社経営にたいして責任を負う必要があるのです。有
限責任の会社とは異なります。
国営企業に雇われていた「ソ連型社会主義社会」の労働者は
基本的に働いても働かなくても賃金は同じという状況にありま
した。もちろんこれは仕事をしなくても収入があったというこ
とではありません。資材の入荷が滞っているため工場に出かけ
ても仕事がない、トラクターやコンバインが壊れて部品がない
ため仕事が出来ない といった状況のことです。そんなときに
労働者が昼間から酒を飲んでいても許される(資材や部品がな
いのは国のせいで)、そして結果として国は赤字企業に財政補
填をするから、企業は競争力を失い生産力と品質の低下が進ん
でしまったのです。いわゆる資本家サイドの「健全な経営」で
はなく、新しい社会主義では名実ともに労 働者が主人公の健
全な企業経営でなければなりません。
今の労働組合で形式的に唱えられている「労働者の経営参加
」ではなく、労働者が企業経営に責任を持つということです。