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「科学的社会主義」討論欄

反戦反ファシズム連合さんへ 3

2006/02/26 風来坊 50代 自営業

 あなたはナロ-ドニキまで持ち出している以上、ロシア革 命に対する、ロ-ザの農業政策に対する批判にも、答える義務 があると思います。

「しかし、権力を握った社会主義政府は、いかなる場合にも、 次の一つのことだけはしなければならない。-農業関係の今後 の社会主義改革への基本的な前提をなす方向をとる処置に着手 すること、少なくともそうした処置の妨害になるようなものは すべて避けなければならない。 ところが農民による土地の即 時没収と分配、というボリシェビキが掲げたスロ-ガンは、ま さにそれと正反対の方向に作用せざるを得なかった。それは社 会主義的な処置でないばかりでなく、そうした道を遮断し、農 業関係の社会主義的な意味での変革の前に克服しがたい困難を 積み上げるものだ。
 諸君、行って、土地を取れ!-レ-ニンとその同志たちの簡潔 明快なスロ-ガンに応じた農民たちによる土地の占有は、ただ 大土地所有を農民の土地所有へと、突然、無秩序に移しただけ に終った。そこに創りだされたものは、社会的な財産ではなく して新たな私有財産であり、しかも大土地所有を中小の所有に 、比較的進歩した大経営を、技術的にはファラオの時代そのま まの手段で動いている原始的な小経営へと細分化したにすぎな い。そればかりではない。こうした処置と、無秩序な、まった く恣意的な実施方法によって、農村での所有較差は解消される どころか、かえって深められた。略
 レ-ニンは演説で工業の集中化の必要性、銀行、商業、工業 の国有化の必要性について語っている。なぜ土地の国有化につ いて語らないのか?この点では、逆に、分散化と私有財産だ。
 革命以前のレ-ニン自身の農業綱領は、これと違っていた。 このスロ-ガンは悪評高い社会革命党か、より正確にいえば、 農民の自然発生的な運動から取りいれたものだ。略
 かつては、農村での社会主義改革に抵抗したのは、せいぜい 貴族と資本主義的大土地所有者の小さなカ-ストならびに富裕 な農村ブルジョアジ-のごく少数であって、革命的人民大衆に よるその収用は児戯に等しかった。「没収」後の今、農業のあ らゆる社会主義的共同化の敵として立ち現れているのは、土地 を所有する農民の増大と、強力な力を持った大衆であって、彼 らは新たに手にした財産をあらゆる社会主義的な企図に反対し てがむしゃらに守ろうとすることであろう。今や将来の農業の 社会化の問題、つまりロシアにおける生産一般の社会化の問題 が、都市のプロレタリア-トと農民大衆との間の対立抗争の問 題となり変わったのである。この対立がすでに今日、どれほど 激化しているかは、農民が都市に対してボイコットを行ない、 プロイセンのユンカ-さながらに暴利をむさぼるために都市へ の食料品の引渡しを拒否していることに示されている。略 レ- ニンの農業改革は、農村での社会主義に敵対する新しい人民層 をつくりだし、その抵抗は貴族の大土地所有者の抵抗よりもは るかに危険で強靭なものとなろう。(ロシア革命論 ロ-ザ・ル クセンブルグ)

 農業の社会主義的変革という観点からみれば、ロ-ザ・ルク センブルグの指摘通りであり、コルホ-ズの加入農家は、1920 年には、0.5%ですぎなかった。農業の社会主義変革の課題は、 ネップの一時期を経て、1920年の終わりにスタ-リンの下での 集団化の強行、大規模な粛清の悲劇の一因になったのである。
 一般的には、レ-ニンに他に方法はなかった、ということで 片付けられていますが、ナロ-ドニキまで引っ張り出して、ロ- ザ・ルクセンブルグの批判をする以上、ロシア革命論の内容そ のものに対する見解を表明する義務が、あなたにはあると思い ます。