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「科学的社会主義」討論欄

答えになってはいない、右翼社民のスカンジナビアン氏へ ~あなたは民社協会にいくべきだ!

2006/04/23 反戦・反ファシズム・日本国 憲法擁護連合 20代 自営業

 まず端的に主張の骨格をあらためて列挙したい。

■北欧各国の経済構造は、武器輸出で保たれてきた。
 →武器輸出国でみれば、だいたい第十一位をキープしている ものの、北欧各国の経済規模からして、世界シェアにおける比 率はかなり大きいものである。スカンジナビアン氏は、武器輸 出国のみを挙げているが、北欧経済の現状からして武器輸出国 第十一位という数字はとてつもなく大きいということを隠蔽し ている。

■北欧各国の社会保障政策の「変更」と財政危機
 →北欧経済も、世界経済不況のあおりや、バブル経済破綻を 向かえ、従来の財政危機突破として、財政再建化と社会保障改 悪が行われた。例、スエーデンの社会保障改悪制度。この制度 は、七十年代の政策よりも後退した政策であり、改悪と負担増 によって財政再建化は図られているに過ぎず、北欧はうまく言 っているとバラ色に描くのは間違いである。スカンジナビアン 氏は、社会保障改悪と財政赤字の関係をおさえず、バラ色にし か描かない。

■アメリカ帝国主義の限界について
 アメリカ帝国主義は、戦後パクスアメリカーナとドル体制で 世界市場を席巻できたのは、六十年代までで、製造業や自動車 産業などでは、日欧帝国主義の不均等発展でアメリカ市場その ものが食い破られている。なお、グローバル経済やITなどによ るアメリカングローバルスタンダードや新たな市場争奪は、日 欧帝国主義への巻き返しであったが、結果的にバブル破綻に追 い込まれてしまっている。
 そもそも、アメリカ経済は70年代以降、ケインズ財政政策 が破綻し、レーガノミクスの経済政策が継承されているが、財 政赤字はさらに巨額の債務を抱えている。また、ドルの脆弱化 はさけられない。
 こうしたなかで、アメリカ帝国主義は戦争によって矛盾を打 開しようとしているのである。もちろん、イラク戦争の泥沼化 は、余計にアメリカ経済の矛盾を抱えていくことになるだろう が、イラク戦争によってイラクフセイン政権によるユーロ決済 は阻止できたのである。
 ITバブル崩壊→世界恐慌という情勢を、イラク戦争と有事に 強い「ドル」でアメリカ帝国主義は乗り切っているが、その繰 り延べはイラク戦争泥沼化を招き、より深い矛盾を突きつけて いる。
 そのなかで、アメリカ帝国主義は国内では、社会保障の解体 と軍拡路線をいっそう推進している。スカンジナビアンのよう な、修正資本主義的なお説教ではこのアメリカ帝国主義の暴圧 はやむことはないのであり、アメリカ労働者階級によるアメリ カ社会主義革命しか根本的な道はないのである。

■現代帝国主義について
 スカンジナビアン氏は、アメリカ帝国主義や日欧帝国主義の 政策に対して、帝国主義とはいわず、新自由主義と濁して指摘 するわけだが、スカンジナビアン氏は、北欧をモデルとしなが ら帝国主義に対する修正・改良的な道があるように説教してい るのであるが、この資本攻勢をそんな修正主義・改良主義では 乗り切れないと私は指摘してきたのである。昔でいうならばス カンジナビアン氏はカウツキーであるのだ。修正主義では乗り 切れない根拠として、北欧がバラ色ではないこと、矛盾を抱え ていることをつきだしたが、スカンジナビアン氏はこれを絶対 容認できないということなのである。スカンジナビアン氏は、 根本的に資本主義的政策様式では、労働者の解放はありえない というマルクス主義そのものの解体をも主張してもいるのであ る。
 スカンジナビアン氏の主張は、マルクス主義ではなく、改良 主義でしかなく、右翼社会民主主義でしかない。
 スカンジナビアン氏に問う。スエーデンの財政再建化と社会 保障改悪はセットでくまれたが、これについてどう総括するの だ?

■スカンジナビアンの非マルクス主義性
 そもそもの対立軸を、新自由主義対社民という図式に当ては めようとするスカンジナビアン氏の思考そのものが、ナンセン スなのである。
 あくまでも現代帝国主義の運動としてアメリカは資本攻勢を かけているのであり、アメリカブルジョアジーの延命として運 動しているのである。とくに、ソ連の解体以降、残存スターリ ン主義体制諸国や、新植民地主義体制諸国にむけた市場争奪を 激しく展開しているのがアメリカ帝国主義そのものなのだ。そ してアメリカ国内では資本攻勢を強め、社会保障縮小→軍拡に ひた走り、金持ち優遇政策を採っているのである。こうした帝 国主義は労働者にとって利害はないゆえに、アメリカ帝国主義 打倒をアメリカ労働者階級は掲げて戦うべきなのである。北欧 のようなあり方を説教しても、根本的解決にはならないのだ。 スカンジナビアン氏の主張は、マルクス主義でもなんでもなく 、現代のカウツキー主義・ペルンシュタイン主義・右翼社民な のである。彼の骨格に、資本主義的生産様式の破棄がないのは 、そのためである。反動も反動、極反動なのが、反革命たるカ ウツキー主義者らの正体なのだ。いやしくも、科学的社会主義 を掲げる日本共産党に、カウツキー主義的立場で軍師気取りで あれやこれやを説教しまくり、原則的マルクス主義を主張して こられた、寄らば大樹の陰さんや銀河さんに悪態をつくという のが、スカンジナビアン氏のあつかまさなのである。スカンジ ナビアン氏は、反マルクス主義である民社党に由来する社会主 義青年フォーラムあたりで吹けばよろしいのだ。
 スカンジナビアン氏が原則的なマルクス主義ではなく、修正 主義に他ならないのは、北欧礼賛で明らかだろう。
 原則的マルクス主義者は、帝国主義の限界と、修正主義の反 動性をいやというほどみせつけられてきたのだ。アメリカ帝国 主義の分析をあたかも新自由主義礼賛であるように曲解しなが ら、修正主義の反動性を覆い隠すほど、卑しいことはなかろう 。マルクス主義的アプローチのひとかけらもないあなたは、共 産党に由来する団体と接点があろうとなかろうと、右翼社民・ カウツキー主義の極反動だということに変わりはなかろう。