「科学的社会主義」討論欄

新社会主義（民主主義社会主義論）宣言

2006/04/23 やすし５０代自営業

　今、不破哲三著「２１世紀の世界と社会主義」という本を読んでいます。なぜ共産党が現代中国を美化するのか知るためです。しかし読んでみて明確な答えは見つかりませんでした。
　言うまでもなく現代中国は経済的には資本主義、政治的には事実上の一党独裁体制です。資本主義の民主的規制という点でも日本や欧米先進国に比べて遅れています。政治的には事実上の一党独裁体制のもとで不正腐敗はベトナムと共に高いレベルにあります。公害やら労働者の権利・社会福祉という点でも遅れています。こういった国々をあえて綱領にまで入れて社会主義を目指す国々として美化する必要があるのでしょうか？

　不破氏は別の著書で、かつてスターリンが「ソ連が共産主義段階に入った」といって共産主義の値打ちひき下げたと述べています。
　ところが共産党自身７０年代８０年代に社会主義国が世界で人口でも面積でも三分の一以上占めているといって社会主義の看板の国々を擁護してきたわけです。ソ連が東欧等に武力侵攻した後も相当長い間そういってきたわけです。社会主義の値打ちを引き下げたのは共産党や、ソ連や北朝鮮に追随してきた社会党だったのです。社会主義の看板の国々はほとんど社会主義とはいえないレベルの国々だったわけですから・・・。

　ロシア革命で、労働時間の短縮や教育や年金等福祉の分野で前進があったのは確かです。しかし、これは共産党自身が言っているように分配の問題です。ましてや生産手段の共有化(社会化）という点でみると、国有化や集団化がおこなわれても政治的民主主義という点で問題があり、実質的な共有化（社会化）にはならなかったわけです。ですから、ロシア革命等を社会主義革命と規定するのは無理があるわけです。
　社会主義とはもっと民主主義のレベル高いところにしか存在しえないのです。既成社会主義者はこのことが理解できないのです。

　今日本で革新政党が衰退した一番の大きな原因は、このような既成の間違った社会主義観・世界観を克服できなくて国民の信頼を失ったからです。社会主義とは民主主義の上にしか花咲かないという正しい社会主義観・世界観にたつことが革新再建のためには重要です。