共産党は改憲の策動が現実の政治日程に上っているがわからないのか。
原仙作さんの以下の指摘は重要です。
共産党のように、あれかこれかと対立させ、草の根のレベルで多数派化運動を進めることを強調し、国民の多数を護憲派に獲得できれば、それだけで国民投票で改憲案を否決できるかのように考えるのは楽観的すぎる。
いざ、国民投票が実施となれば、言論戦の騒がしさはあれ、事態は粛々と投票日に向かって進むと予想することはできない。
日本には4万の米軍が駐留しており、爆弾テロや国籍不明のミサイル攻撃などの不測の事態が勃発し、国論が一挙に国防強化へ沸騰することもありえるわけで、そうした事態になれば、草の根の多数派運動で得た陣地も一挙に吹き飛ばされる可能性がある。それだから護憲派は改憲への道筋に何重にも関門を作り出すべきであり、当面のことで言えば、国民投票法を成立させないこと、さらには来年の参議院選で護憲派議員を1/3以上獲得し、改憲を国会で発議させないことが必要なのである。漫然と、草の根での多数派化運動を進めるだけでは戦略なき護憲運動というべきである。
今日北朝鮮が、ミサイルを発射した。これだけでも意識は変わるのである。爆弾テロにしても、実際に行なわれる可能性もあるし、政府や米軍がでっち上げることも考えられる。また、9条を前面に出さずに改憲手続きを緩和して、再度改憲することも考えられる。また言論統制や宣伝の制限、実施までの時間の短縮などあらゆる事態を想定しなければならない。
改憲派も、改憲できる可能性が高いと考えるからその為の策動をしているのだ。改憲を阻止するための関門はできるだけ多く作らなければならない。
共産党中央のセクト主義的対応では、われわれは全力で戦った。しかし、改憲を阻止できなかったで終わりかねない。そのような結果になることだけは何としても阻止しなければならない。