橋本政府以降の政府は、「少子化で財政が危ない」などと脅 し、増税や社会保障のカットを強行しました。一方で「国際競 争力」を盾に、お金持ちへの減税や法人税率引き下げを強行し てきました。
いまや、日本の税制は、課税最低限は先進国中最低であり、 一方でお金持ちへの課税はアメリカよりも緩いという、お金持 ち優遇・格差放置の税制となっています。
内需が低迷する中で、お金持ちや大手企業は、減税されても
、実業への投資にはあまり回さず、結局、不況による税収減で
激増した国債の購入に回しました。
銀行も、金融緩和されても、金融庁の厳しい指導があって、
なかなかお金を貸さずに、国債を増やしていました。そして、
国から大量の利子を受け取っています。お金持ちや大手企業と
国の間でグルグルお金が回り、お金持ちが肥太る。
一方で、庶民は財政危機が呼号される中で、増税を喰らい、
社会保障カットの往復ビンタを食らう。かくて、庶民からお金
持ちへの所得再分配が行われてしまっています。訳が分りませ
ん。
この状況を打破するためには、とりもなおさず、きちんとお 金を溜め込んでいる企業に、投資を促すこと、労働者への適切 な配分を行わせることで、実体経済にお金を戻させ、もって景 気を加速することです。
アメリカのクリントン政権は、積極財政を行った後に、お金 持ち増税を行い、財政を再建しました。経済の流れから言えば 、お金を溜め込んでいる人から、まずお金を借りて、政府が実 体経済にお金を流して景気を良くし、その後、増税して借金を 返すという形ですので、非常に理にかなっています。日本も当 然これに見習えばよいのです。日本の場合は、「景気が悪くな った結果」としての国債増額ですので、良くないのです。
むろん、積極財政といっても大手企業ばかりが潤うような事 業ではなく、中小企業が潤うような仕組み、また、生活者のた めのセーフティーネットとなるような投資が必要です。
そうでないと、「生産者の視点に偏っている」「大手企業優 遇」などという批判がリベラルからも出て、とてもではないが 、通りにくい。
利子所得・配当所得・キャピタルゲインも含めて、総合課税
を実施すべきです。
当面は財産所得への減税を取りやめます。法人課税は、減税
せず、景気が良くなり次第、1999年以前の水準に戻すことを検
討すべきです。
財政危機宣伝の嘘を我々は見抜かねばなりません。誰が儲か り、誰が損をするか。その見極めです。