わたしは、「平和の風」運動に賛成だし、WEB賛同人にも参加している。原仙作氏が提起されている参院選の共同候補構想にも全面的に賛成である。
それを前提にいま想っていることを記したい。
自民党公明党政権の側を前面とした支配体制の側は、どう考えているだろうか。わたしたちと逆の側は、政治闘争をどう構想しているのだろうか、ということである。
原さんが実に的確にしたことがあった。それは朝鮮のミサイル発射実験があれば、日本国内に容易にナショナリズムの台頭が見られるという危惧の念である。福田康夫さんが自民党総裁選に不出馬した重要な背景となった。小泉首相を尻目に安倍官房長官が政治的ヘゲモニーを握り、対米交渉など一気に動くきっかけとなった。
わたしたちは、参院選で共同候補を立てて戦う立場である。その時にどんな策略が仕掛けられるかを、相手の側から見て問題を立てるべきである。
たとえば、民主党を分裂させて若手が新党をたちあげれば、小澤代表には大きな痛手となろう。郵政法案で自民党から追い出された国民新党などの勢力も、小澤民主党の共闘の中にある。新総裁のもとで自民党が、政府大臣のイスや党幹部の用意をして迎え入れたらどうだろうか。これはほかのかたがいみじくもおっしゃっていたが、参院選で自民公明が過半数割れしたときに民主党に政権入りの要請があったとき、民主党内部の混乱はないか。
わたしが言いたいことは、平和共同候補擁立を否定することではなく、むしろ逆である。
しかし、政治的マキャベリストのたむろする自民・公明がそれほどやすやすと政権を渡すと見ないほうがいい。政治権力をめぐって、どれだけ策を弄すか、そのことも充分に計算に入れておかないと、意外な陥穽が用意されてくることは明らかだろうという警戒と対策の構想である。