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「現状分析と対抗戦略」討論欄

共産党が変わりさえすれば全野党の選挙協力は可能ーそのための方法を問う

2006/08/21 部外者U 30代

 原氏の文章の大筋は賛成できるが個々の部分で不満がある。その所を指摘したい。その上で小沢民主党と日本共産党との間で政策協定を結ぶより実現性が高い小沢民主党と日本共産党の候補者調整の道を探るにはどうしたら良いかお尋ねしたい。

>2004年の参議院選のデータをそのまま使い、民主党、共産党、社民党の全面的な選挙協力があれば、来るべき参議院選でどのような現実をもたらしうるのか、その可能性を目の前に広げてみることにする。

 この前提が無党派に対しての説得力を著しくそぐものになっている。基礎データーとして同一選挙を比較対照群にするのは正攻法のやり方だが、郵政選挙で自民党が分裂し国民新党と新党日本が生まれた。また地域政党として新党大地も生まれた。このことは90年代以降構造改革、新自由主義政党にシフトし続けてきた自民党の内部で切り捨てられる層の反乱ととらえるべきであり、決して一過性のものではないと思う。この部分をあえて計算に入れないというのはずさん極まりないと言わざるを得ない。

 また今回の平和共同候補の前段階として今回の衆院選で社民党と新社会との間で「第44回総選挙にあたっての合意」を結び、近畿ブロックを中心として護憲共同的な流れが出てきていることもふまえる必要があるだろう。

>1人区で民主←共・社で議席を奪える選挙区 =2選挙区=富山、山形、

 野党共闘という形で富山で民主党が候補を出さずに国民新党が候補を出した時に日本共産党はどのような態度を取るのか。
 山形は今回の総選挙で社民・新社の選挙協定が結ばれたところ。

>2人区で民主←社・共で議席を奪える選挙区 =2選挙区=北海道、広島

 北海道の場合は新党大地(総選挙で社民・新社の選挙協定あり)で、広島の場合は国民新党軸の野党共闘か平和統一候補(総選挙で社民・新社の選挙協定。1区の上村好輝3区の金子哲夫推薦あり)で2議席目を狙うという構想が十分に考えられる。これに対して日本共産党がどういう態度を取るのか。

>3人区で共←民・社で議席を奪える選挙区=4選挙区=神奈川、埼玉、大阪、愛知

 埼玉、大阪、愛知とも総選挙で社民・新社の選挙協定あり。2004年の参院選で新社会愛知は八田選挙支援。これに対して日本共産党がどのような態度を示したかは私の以前の書き込み参照。

 なお近畿ブロックは新社会党が社民を推薦、社民は兵庫の原和美を推薦という実例あり。この枠にはみどり派・無党派も入っている。

>7、4人区で共←民・社で議席を奪える選挙区=1選挙区=東京

 社民・新社で選挙協定を結び、9区中川直人推薦、比例支持。

 結論として言えばこういう社民・新社や無党派の動きに対して日本共産党がどのような態度をとったか。その態度をみて社民党支持者・新社会党支持者・無党派支持者がどのように感じたか。この変数を考慮しないで単純な算術計算の通りになると思うのならただの机上の空論ではないか。

>この可能性は、野党の党首が決断するだけで現実化する。

 前々回の総選挙では民主(社民)公認、社民(民主)推薦という形が多かった選挙区を前回の総選挙で民主と社民の棲み分け選挙区という風に変えた所が多い。

 こういう社民党側の変化(総選挙スローガンも「国民見ずして、改革なし」)に対して日本共産党はどのように批判をしたか。2005年8月24日の赤旗で確認してほしい。

>その政策協定とは「2010年の参議院選が終わるまでは、改憲の発議に賛成しない」というものだ。

 日本共産党がこの程度の政策協定の呼びかけをするわけがない。民主党が飲めない政策協定を持ちかけて、選挙協定自体行わないという流れになりかねないので政策協定にこだわるべきではない。

>政策協定の原則論をところかまわず振り回す御仁はいつも絵にかいた餅すら得られない。

 2005年8月24日付けの社民党批判をそのままにしておいて社民党支持者の共感をうけると考えているならおめでたい考えである。今回の1月7日付けの新社会党批判をそのままにしておいて新社会党支持者の協力が以前と同じように得られると思ったら大間違いであろう。

 また下手に政策協議をしてすべてを失うより、基本的理念の違う野党連合に協力できないが、自公政権が有利にならないように野党連合との間の候補者調整は行うという方が共産党の独自色が出せる上に野党に恩も売れて一石二鳥だと私は思うのだが。

> 以上、小沢民主党にとっては「空気」のような、あってなきがごとしの政策協定を結ぶ。ここに、選挙協力を実現する手がかりの全核心がある。

 基本的理念の違う野党連合に協力できないが、自公政権が有利にならないように野党連合との間の候補者調整は行うことは日本共産党の幹部が宣言し、実務者協議を行いさえすれば良いのであって、政策協定より簡単に実現することができるだろう。

>共産党の選挙区票が完全に死票化しているばかりか、小選挙区制による選挙戦の力学を通じて与党の巨大化に貢献した現状にも革命が起こる。全国の選挙区票が選挙協力を通じて有効なものになり、単独では不可能な5選挙区の当選という奇跡を引き起こす。

 6月26日に書き込んだことについて原さんのご意見を伺いたいと思います。

 日本共産党についてです。イタリアのオリーブの木の場合、保守連合とリベラル連合という2大勢力に対して共産党再建党はリベラル連合の政権には参加しないがリベラル連合と選挙協力をするという戦術をとりました。

 日本での対比で考えると自公連合と民主党に対して日本共産党が民主党と選挙協力を結んで自公連合に対抗するということになります。こんなことに現実性がないのは火を見るより明らかです。(6月26日の書き込み)

 原氏が指摘されているように小沢民主党は岡田民主党と違い単独での政権志向は強くありません。小沢氏自身が自民党出身ということも含めれば保守系新党も含めての野党の選挙協力が進むことが予測できます。

 今回の選挙では自公連合対野党連合という図式の選挙区での勝敗が、参院選全体の勝敗のカギを握ることになるでしょう。

 「基本的理念の違う野党連合に協力できないが、自公政権が有利にならないように野党連合との間の候補者調整は行う」ことを日本共産党に実行させるにはどうしたら良いでしょうか。部外者の私にない知恵を教えていただければ幸いです。