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「現状分析と対抗戦略」討論欄

9/16愚等虫さんへ、「自虐史観」と僕の中国論文と

2006/09/24 人文学徒

 愚等虫さん、16日当欄での、僕の「中国問題」2論文への言及はとても嬉しかった。というのは、あれだけ「時事問題的思い入れ」に端を発して、時間も使い、力も入れて書いた物(8月4日「激流・中国」、9月10日「激流・中国の重大問題」)に対して、貴方以外はこのさざ波で、何の反応もなかったことに、心底がっかりしていたからです。あの2論文、実は貴方の今回の投稿内容「”自虐史観”と右傾化」の問題を極めて意識して書いたものです。「自虐史観」と中国は、A級戦犯の扱いでまさに対立激化というだけではなく、実はそれ以上に重大な実践的問題があると僕は学んだのでした。最近僕がさざ波をご無沙汰していた理由である憲法9条問題ブログでのやりとりのなかから、こんなことを学びました。

 「自虐史観」論者とは、その史観自身でやり合っても全く無意味です。貴方が言うように、彼らにとって歴史学は科学ではなく「物語」ですし、「大東亜戦争について、日本にも『歴史解釈権』というものが許されてしかるべし。アメリカ、中国のそれと対立して当たり前」などと東大教授・小堀圭一郎氏をして言わしめ始めたという情勢ですから。
 彼らの本質は、「自己、郷土、国への愛」の偏執的連帯感から発するように、過去にも未来へも多方面の「物語」を作り上げていくことです。そして、この「非学問」、「孤立症物語」を支持する若者、女性も今や実に多い。この競争、格差社会で「同質は本能的に固まる」というような特徴が、外国に対しては愛国心で固まるということでもあるのでしょうか。そんなこんなで、右翼には実に世界史的根強さがありますよ。しかしながらこれに対して、争うか無視かというだけではあまりにも能がない。そこで僕は、こんな事をやってみたのです。
 「日本孤立症物語」の彼らは、真理とか科学とかだけでなく、外国のことなど原理的に眼中にないということが分かりました。とすれば、強制的に外国を彼らの中に持ち込めないか、それが「日本孤立症」治療の第一歩ではないかとね。中国が引き起こしつつある世界的環境問題などどうだろうかと、こういうことにしてみたのです。そう考えてブログで試みた「説得」の題名が、8月4日の論文「『激流・中国』と日本は鞘当てを演じている時なのか」というわけでした。右翼的若者男子には無意味でも、若い女性とかアメリカのセキュリティー・ママみたいな方々には、有効みたいです。右翼男子でも、しかも靖国に触れつつも、少なくとも反論は来ませんでした。こうして、地球環境問題は彼らのアキレス腱になるのではと、結論しているわけです。いくら彼らでも「中国政府が悪すぎるなら、潰せ」とは言えないでしょうし。

 以下、ブログでの右とのやりとりの一部を紹介します。

右翼1「現憲法を守るならば、国旗を忌避する理由がありますか?また天皇制度も現憲法の第一章第一条に位置付けられています。しかも現皇室典範では、男系になっています。40年以上振りの男子誕生ですよ。それを祝って国旗を公立学校(税金でまかなわれている)が、掲げるのが何処がいけないのですか?愛子様は女子です。現皇室典範では、継嗣できなないのです。だからやっと男子がとお祝いするのが何処がいけないのでしょうか。
こういうような行動を都教祖などがするから、組合は赤だとかという非難が出てしまいます。都教組は共産党系ですか、社民党系ですか?
 また男女平等ですか、何故ここで男女平等が出てくるのでしょうかね。目下女は、天皇になれないのです。これは皇室典範にかいてあるもので、その法律がいけないならこの法律の廃止か天皇制の廃止を訴えたらいかがでしょうか。」

僕「憲法にも是々非々です。そんなこと当たり前でしょう。貴方の言い分は、形式論理も甚だしい。9条は守る。1条は変えたい。というより、なくしたい。よって皇室典範など問題外で、男でも女でも反対。念のために、僕は主権者だから憲法について発言は自由ですからね。人間であって人間でない「人」、選挙権もないらしいし、食わせてもらっていて自立もできてない。そんなの、化け物ですか。ご本人も不幸なのでは。」
「キコキコ、キコ」と、五月蠅い限り。関係部分は、新聞も遠ざけ、テレビも消しています。サッカーアジアカップ予選以外はね。天皇はともかく、他も「皇室」が仕事なんて、不労所得ですよ。「働かざる者食うべからず」だ。「象徴なんだから、敬意を払え」なんて言わないでね。僕は主権者なんだから、当然、制度としての皇室、天皇制に文句は言えるんです。 」

右翼2「とにかくイギリスでも報道されたように、日本の王室は、最古のものですから、世界遺産みたなものです。大事にしましょう。それから相変わらず文科系さんは、天皇さんが嫌いですな。まあそれは好き好きでいいでしょうが、でもあの男の子が生まれた時の、朝日・毎日を初めとした号外や夕刊の見出しはなんだったのしょうか?だから私はもし女子だったら号外は出たのかと・・。あるいは急遽、皇室典範改正の主張でしょうね。残酷なものです。」

僕「 僕が敢えて「天皇家、大嫌い」を丸出しに強調しても、保守系さんはさらりと、こう返して来た。それから相変わらず文科系さん(僕です)は、天皇さんが嫌いですな。まあそれは好き好きでいいでしょうがと。これ、感じが良いです!右の人もすべからくこうでなきゃ!こうでなくって、僕のような言葉にカッカと怒り出す人は、今の日本にはいっぱい。
加藤紘一宅全焼事件、日経新聞火炎瓶事件、ちょっと古くは富士ゼロックス・小林陽太郎最高顧問宅火炎瓶事件、新しくは乙武さんブログへの抗議殺到事件。こういう人々は「原則的な物が分かっていない」人ね。僕のこういう主張を考えたこともない人。
『象徴なんだから、敬意を払え』なんて言わないでね。僕は主権者なんだから、当然、制度としての皇室、天皇制に文句は言えるんです」