原さん、丸さんの論争について、人文学徒さんが割ってはい
るそうですが、この件では、私も先にレスしました。
まだ何の返答もありませんが、この掲示板を盛り上げるため
に、投稿を呼びかけておられますので、その呼びかけにお応え
することにします。
人文学徒さんいわく、
・・・現代社会分析が欠けた教条主義だと思います。
要するに、具体的な、”こうして世の中を変えよう”という
討論に対して、”古典にはこう書いてあるから違う”と語って
、討論したつもりになっている。
こうした論議はもうやめませんか。・・・・
全くそのとおりですよ。
たとえば、それはカウッキーだ、と言ってそれ以上議論が進
まないがそれで、もう相手を論破したつもりになっている、と
言う具合です。
レーニンだってカウッキーだってその当時の歴史的条件の中
での話しだろうと思います。
ですから、私はマルクスレーニンの古典の話をほとんどしま
せん。
現代社会の分析・紹介がほとんどですね。
古典の研鑽も良いが、その数百倍のレベルで、現代先進社会
の分析・紹介が必要だろうと思います。
(と言っても、私のような浅学の徒ではただ紹介するのみで
す。分析までは手が回りません。)
その点では、人文学徒さんや原さんに近い立場だろうと思い
ますが、しかし、お二人にも不満があります。
では、なぜ、お二人は現代先進社会を分析・紹介することに
不熱心なのでしょうか?
私は堂々と、北欧社会の社会民主的に改革改良された社会を
紹介し、そうした民主的改革(欧州では社会民主的改革と言い
ますが)を支持しています。
どうも、そうした主張をためらわれているような気がします
ね。社民だとレッテルを貼って見る方が多いのはわかりますが
。
でも、そのために焦点がボヤけてしまっているのでしょう。
そして、現代社会の分析・紹介がやっぱりできてないのですよ
。
原さんの主張にもそうしたアプローチが今のところ、皆無で
す。
たとえば、原さんは500兆円に及ぶ金融資産の話を持ち出
しましたが、それはスエーデンのような改革改良された社会か
ら見ると、非常に奇異な姿、貧困な社会の象徴に見えると言う
ことを言う人もいると指摘しました。
これなどは一体どう考えるべきなのか、どう分析すべきなの
か、原さん、丸さん、人文さんらの意見を訊いてみたいですね
。
他にも、他サイトで、コナンさんと言う方の議論が面白いの
ですが、そこから得た情報もあります。(竹崎氏ら)
竹崎孜氏のスエーデンに関する4冊の著作はどれも面白いで
すよ。
たとえば、
スエーデンでは、最近は出生率が1,74くらいだそうです
が、
1、育児休暇
育児休暇はどうなっているかと言うと、390労働日(78
週、1年7ヶ月くらいに相当)は賃金の80%支給。(多くの
企業が10~20%の上乗せ支給の労使協定を結んでいる。実
質は90%くらいの支給)
その後、追加90労働日の育児休暇を取得できるがこちらは
、一日60クローネ(1000円程度か)の定額支給で、非常
用と解釈すべきかもしれない。
また、産前には、妊娠に不安があれば、あるいは妊婦にとっ
ては重労働の職場ならば、50労働日の産休があり、60労働
日前から申請できる。 こちらも給与の80%支給である。
直前10労働日からは育児休暇が始まるし、出産すると、直
前後10労働日間は父親にも休暇が与えられる。
つまり、50労働日の産休プラス390労働日の通常の育児
休暇プラス非常用の追加90日の育児休暇が認められている。
また、これらの育児休暇は分割取得しても良いことになって
おり、家族の状況に合わせて、フレキシブルに活用できる。
たとえば、半日休暇とすれば、780労働日活用できるので
、半日勤務を3年2ヶ月にわたって続けても良いし、4分の一
ならば、6時間労働を1560日労働日(6年4ヶ月)にわた
って取得しても良いのだそうだ。(プラス90労働日分も分割
可)
まあ、通常は全休を8ヶ月くらい取ったら、徐々に半日くら
いの勤務にして働き始め、さらに後には6時間勤務に戻して完
全消化を図ると言うことになるのだろう。
追加休暇の分は6時間勤務で消化すれば、60クローネの定
額(低額)支給であっても、全休ではないので、さほど家計に
は響かないで済むだろうから、そうした形で消化すればよいと
いうわけだ。
以上の育児休暇は、夫婦どちらにも保障されている。
2、看護休暇 1、の育児休暇制度と合わせて両親保険と言 う。
上記の育児休暇とは別に子供が病気の時には12歳になるま で、子供一人につき、年間!120労働日の看護休暇が保障さ れており、二人なら240労働日(一年中だよ、これじゃ)と なるが、賃金の80%が支給される。
傑作なのは育児休暇のほうは父親の取得率が低いのが問題視 されるが、ある程度子供が大きくなって手がかからなくなると 、逆に父親の方の看護休暇取得率が急上昇し、子供の看護に熱 心なのか仕事の息抜きに熱心なのか疑う向きもあると言う。
おまけに、バカンスが始まると、途中で育児休暇を中断し、 バカンス休暇に切り替えて、バカンスが終わるとまた育児休暇 に切り替えるのだとか言うことも普通にあると言う。
もう一度確認するが、これらの休暇は給与の80%が支給さ れ、多くの場合、労使協定によって、企業からは追加支給がな される。
さあ、どうですか?これは竹崎氏の著作をほんの少し紹介し
ただけです。
マルクスはこれをどう分析するのでしょうかねえ?
スエーデンの労働者よ、団結せよ!!(フムフムなるほど)
諸君らは鉄鎖以外に失うものは何もない!!(??狂人か?
)
こうした現代先進社会の有様をここのサイトに集い、いやし
くも日本の革命などと言う大それたことを言うからには、これ
らは当然の常識、そんなことは百も承知の上での討論でなけれ
ば、全くの問題外。
話にもなりませんよ。
(という私も実は北欧にそれほど詳しいわけじゃないですけ
ど。)
革命や変革を言うなら、世界でもっとも先進的な民主的改革
がなされた北欧や蘭の社会について、十分な知見を得ることに
熱意と情熱を注ぐので無ければ、全く不誠実だと思いますよ。
(まあ、多少の言いすぎはこれも議論の活性化の手段と思えば よし、で許してください。)
そうした最新の情報をどんどん紹介していきましょうよ。
そうしたことが80%以上、マルクスやレーニンの古典は2
0%以下で十分じゃないですか?
次回もスエーデンについて少し紹介していきます。
(いつだったかの問い合わせは、、そうですよ。)