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「現状分析と対抗戦略」討論欄

新たな危機のもとでの参院補選・後半統一地方選

2007/4/21 千坂史郎

 明日、4月22日。沖縄県と福島県の参院補選と後半の 統一地方選挙がおこなわれる。

 私が 「新たな危機のもと」と言うのは、マスコミに公表 されている原因は違うけれども、ひとりの長崎市長が暗殺 されるという愕くべき事件が発生して、その直後での選挙 ということをさしている。
 戦前に、第二次世界大戦に突入していく日本は、数々の 政治家暗殺事件を経験した。若手軍人が「革新派」将校と 呼ばれて、ひきおこした5・15事件や2・26事件は、 政治の腐敗と権力批判に憤る結果とされた。
 今回の長崎市長暗殺は、それとは全く異質であろう。 けれども、政治家が容易に銃弾に倒れ絶命するという事態 は、今後場合によっては、政治家暗殺のはしりとなりうる。

 いまの国政は、新自由主義政策をアメリカ政府と日本保 守支配層とによって位置づけられた安倍晋三が、自らの突 出した国粋主義イデオロギーによって低落した支持率回復 の手段として、なかば矛盾する政策の断固推進と意気込ん ですすめられている。
 それは、小泉純一郎が、大衆迎合のポピュリズムと忠実 にアメリカ政府からの年次調書のとおりに相次いで、新自 由主義政策を進めていったのとは、ややはずれている。

 もともと日本政府は、アメリカとの従属と同盟のもとに 推進される国政政策ととともに、政治の保守反動化に伴い 右翼的潮流の急激な台頭のもとに突き上げられるような傾 向と両方の側面をもっている。とくに小泉・安倍政権と、 しだいにその色彩は強化されている。

 もしそのような政府の傾向を、先取りするような形で、 一部の暴徒が反対する護憲やリベラルな保守の政治家を 相次いで暴力に訴えて攻撃するような事態が発生したと したなら・・・
 少なくとも、長崎市長暗殺は、多くの立候補者を萎縮 させるような心理的恫喝の結果的影響はあっただろう。

 明日、いよいよ沖縄県と福島県の参院補選は投・開票 される。併せて後半の統一地方選挙も。
 政治的党派や保守革新の如何を問わず、日本の平和と 言論の自由、民主主義を尊重する多くの政治家の当選に 期待する。そうして、投票有権者の一票に日本のすぐ明 日からの政治のゆくえが委ねられている、そのことの自 覚ある投票であることを切望する。