ロシア党大会を前ににして「イスクラ」がくりひろげたカン パニアにおいて、それの卓越した指導者である同志レーニンの 著作がわれわれの手もとにあるが、その著作は、ロシアの党の 超.中央集権的な方向を組織的に表現している。ここに強烈に 、徹底して表現されている見解は仮借ない中央集権主義のそれ であり、それの根本原理は、一面では、はっきりした活動的な 革命家たちを、かれらをとりまく、未組織であったも革命的. 積極的な環境から、組織された軍団として抽出.分離すること であり、他面では、党の地方組織のあらゆる発現形態に中央機 関の厳格な規律と、それの直接的な、断固として決定的な関与 を、もちこむことである。
それには、次のような例をあげれば、充分だろう。つまり、 この見解に従えば、中央委員会は、党のあらゆる部分委員会を 組織し、従って、ジュネーブ、リュティッヒから、トムスク、 イルクーツクに至るまでの、ロシアの個々の地方組織の全ての 人的構成をも決定し、お手盛りの地方党則をそれにあたえ、上 からの命令でそれらの組織を解散させあるいは作り出し、つい には、こうしたやり方で、最高の党判定機関、党大会の組織を も間接に左右する、という機能をもつ。
その結果、中央委員会が党の根源的な活動の核となり、残余 の組織はすべて単に、それの実行の道具として現象する。略
社会民主主義的運動は、階級社会の歴史上始めて、運動のあ らゆるモメント、そのあらゆる過程において、大衆の組織とそ の自立的直接行動を考慮におく最初の運動である。
この点で、社会民主党は、これ以前の社会主義的諸運動と、 例えば、ジャコバン.ブランキスト型のそれとは、全く異なっ た組織型を創造する。
レーニンは、その著書で次のようにいうとき、このことを軽 視しているように見える。すなわち、革命的社会民主主義者は 、しかし、「階級意識あるプロレタリアートの組織と不可分に 結ばれたジャコバン主義者」そのもである、と。
レーニンはごく少数者の陰謀に対立する、プロレタリアート の組織と階級意識に、社会民主主義とブランキズムとの間にあ る根本的な相異のモメントを見ているのである。だがかれは、 それに伴って組織概念の完全な価値転換が、中央集権主義の概 念には全く新しい内容が、組織と闘争の相互関係については全 く新しい見解があたえられていることを、忘れている。(ロシ ア社会民主党の組織問題 ローザ.ルクセンブルグ)
ドイツ革命の挫折したことと「他の国ではブルジョア社会に よって準備される政治的素材もなしに、この問題を創り上げね ばならぬ」(ロシア社会民主党の組織問題ローザ.ルクセンブ ルグ)ロシア革命だけが成功したことで、ロシア革命の教訓や ボルシェビキの運動だけが一般化されたこと、そしてドイツ共 産党を含む全ての共産党がボルシェビキ化したことが、現在の 共産主義運動の停滞の一因ではないだろうか。