時々、ローザが普通選挙=ブルジョア議会で多 数を獲得する事で社会主義を実現できると主張したかのような 批判がなされる。
その根拠として常に引き合いに出されるのが、制憲議会につ いての批判です。
しかし、ローザの批判はその解散処置に向けられたものでは なく、「十月に構成された憲法制定議会の特殊な欠陥から憲法 制定議会は全て不要だとという結論を下し、しかもトロツキー が、革命期間中は一般に普通選挙によって選ばれた人民代表制 度は全て役に立たないというところまでこれを一般化した」( ロシア革命論ローザ.ルクセンブルグ)ことに対してだった。
ここで重要な事は、ローザが「議会」ではなく「普通選挙で 選ばれた人民代表制度」と表現している点である。
「 つまり、ローザが問題にしていたのは、単なる制憲議会 の解散の可否ではなく、社会主義による民主主義の新しい発展 であった。制憲議会の解散からエス.エルの弾圧にいたるボリ シェヴィキの政策は、社会主義的民主主義の原則に反して、ボ リシェヴィキの一党独裁をすすめるものではないか、とローザ ・ルクセンブルグは見たのである。そしてこのような誤りの根 源を、彼女は独裁と民主主義を対立させる「レーニン・トロツ キーの理論」に求めた。(ロシア革命論 ローザ・ルクセンブル グ 伊藤成彦丸山敬一訳 論創社)
スパルタクスブンドは何を求めるか?
社会主義社会の本質は、勤労大衆が管理される大衆であるこ とをやめて、政治、経済生活の全てを自らのものとして生き、 自ら自覚を持って自由に決定しながら進めていくところにある 。
プロレタリア大衆は、資本家によって、生産過程にはめ込ま れた死せる機械であることから、自分で考える自由で自立した 生産過程運営者になることを学ばなければならない。(略)
彼らは企業家の鞭とは無縁な勤勉さを、資本主義的督励とは 無縁な最高の能率を、束縛とは無縁な規律を、支配とは無縁な 秩序を発展させなければならない。
全体の利益を目指すこの上なく高い理想主義、厳しい自己規 律、大衆の真の市民意識こそは、社会主義社会の道徳的基礎で ある。(略)
スパルタクスブンドは、労働者階級の上に立って、あるいは 、労働者階級によって、政権をとろうとする政党ではない。ス パルタクスブンドは、ただ、その目的を最も確信する労働者階 級の部分に過ぎない。
それは、広範な労働運動を、各段階において、その歴史的任 務に向ける部分なのだ。革命の全ての段階で、それは社会主義 の究極の目的を明示し、また、全ての民族的問題の中で、プロ レタリア世界革命に役立つものを明らかにする。
スパルタクスブンドは、ドイツ労働者階級の大多数の明白な 意思を通じる以外は、決して政治的権威を僭取しない.... .スパルタクスブンドの勝利は、革命の初めにではなく、その 終わりにある。それは何百万の社会主義プロレタリア大衆の勝 利と全く同じい」
このスパルタクスブンドは何を求めるかは、ローザおよ びスパルタクスブンドは常に労働者大衆と伴にあることを公約 し、レーニンと異なる独自の党組織論と社会建設論を提示した ものではないだろうか。