民主・社民・国民新党三党は、次期衆院選で選挙協力を強化 することで合意しました。
民主党の赤松選対委員長は、野党全体で、小選挙区の300 のうち、過半数をめざす方針、ということです。そして、社民 、国民新党との選挙協力を進めていくということです。
逆に言えば、「全選挙区での立候補」には拘らないというこ とです。
共産党が、先般、全選挙区での立候補方針を放棄しました。
これにより、以前の総選挙よりは、野党が政権を奪取する可 能性が客観的に見て増大したといえます。
民主党も、岡田代表のころは、「単独過半数」を掲げていま した。9.11総選挙では、「単独過半数」にこだわり、多く の小選挙区で、社民党や郵政造反組との協力を拒みました。そ の結果、小泉さんを利することになったのは明白です。小選挙 区での得票率は実は自公合計より野党・造反組合計のほうが上 回っていたからです。
しかし、それは当然のことでした。当時の民主党はまだ、経済 政策がネオコンよりでした。岡田さん自身は、農業への所得保 障や年金充実など今の小沢的社民主義路線に通じる部分も多々 ありましたが、前原さんら党内のネオコンを押さえ込むだけの 政治的力量がありませんでした。
したがって、社民党や亀井さんらとの協力など思いも及ばない ことだったのです。
しかし、小泉さんが民主党のネオコンのお株を奪い圧勝。さら に小泉さんと「ネオコン度」を競おうとした前原さんが自爆。
民主党は「社民より」になるより仕方がなかった。「ネオコン 」方面の陣地は自民党に占拠されていたからです。
そこで、社民よりに民主党はシフトし、保守層をひきつけたの です。日本の保守層と言うのは経済政策ではむしろ「社民的」 なものを好むが、今までは、自民党がメシを食わせてくれたの で、与党である自民党についていったケースが多かったが、小 泉さんが、郵政民営化や地方交付税カットなどで保守地盤を爆 破してしまったのです。「保守層の社民化(リベラル化9」と 言う現象が起きたのです。
一方東京は小泉政治で潤ったため、「ネオコン化」が進行、知 事選でもネオコンの石原慎太郎さんが勝ったのです。
しかし、安倍総理は、古臭いため、東京でも反発を買い、地方 でも敗れ、惨敗したわけです。
福田さんは、新自由主義一本ではなく「小泉路線なし崩し内閣 」でしょう。しかし、小沢さんは社民主義一本で行くしかない 。それで参院選に勝ってしまったからです。裏切れば大敗する からです。
当面は経済政策では「社民化」を競う状況が現出すると思いま す。
また、「新憲法制定」を掲げた安倍さんが「KO負け」したた め、「新憲法制定」自体も政治的に道連れになり、KO負けし たといえます。
しかし、当然、小渕政権以降加速した「解釈改憲」の動きは 続いています。アメリカが日本に何らかの「貢献」を求める限 りは、「解釈改憲」を伴う行動を日本に求めるでしょう。
そうした中で、小沢さんがある程度社民化し、また9条改憲 を「凍結」し、集団的自衛権にも慎重な姿勢をとるで、また、 社民党、また経済的には社民主義路線である国民新党との協力 も可能になり、そして、選挙での勝ち目も出てきたといえると 思います。すなわち、選挙協力と小沢さんの社民化は不可分な のです。
また、共産党もおそらく、以前ほどは民主党を敵視しなくな った。決選投票では小沢さんに入れたのは注目されます。民主 党の代表が前原さんや、あるいは岡田さんでもありえないこと でしょう。共産党が「小沢一郎」と書く。何か不思議な感じが ありますが、この局面では良いことだと思います。
野党3党選対責任者会議で政権交代実現に向け、選挙協力の強 化を確認
赤松広隆選挙対策委員長は27日昼、国会内で渕上・社民党 選挙対策委員長と亀井・国民新党幹事長らとともに、次期総選 挙に向けた選挙協力に関して、野党選対責任者会議を行なった 。
会議後の会見で赤松選対委員長は、次期総選挙は政権交代を 賭けた大きな意味を持つ選挙になるとの認識を示し、先の参議 院選挙の結果を踏まえて「3党間で築いた信頼関係をさらに深 めながら、次期総選挙の選挙協力について、率直に意見交換を 行なった。社民党、国民新党からも同様の考えをいただいた」 と会議の意義を述べた。
さらに赤松選対委員長は「まず自民党の議席を減らすこと。 そのために3党が協力し、300小選挙区の過半数を取ること を目指していく」と述べ、3党の選挙協力に関する申し合わせ として、(1)次期衆議院総選挙における政権交代を実現すべ く、民主党・社民党・国民新党は、3党の協力を強化していく 、(2)政権交代を実現するために、3党は次期衆議院総選挙 における選挙協力を積極的に進める、(3)3党による選挙協 力の実現に向けて、年末を目途に、今後具体的な協議を進める ――の3項目について確認したことを報告。
最後に赤松選対委員長は今後の取り組みとして、「いつ解散 ・総選挙が行なわれても良いように、様々な形で3党間の協議 をしていく」と語った。