或る同人雑誌の文章を読みながら、小沢氏が水面下で福田首 相と密約めいた会談を繰り広げたのは、小沢本人の欠陥である という論旨をいぶかしく想った。このような政治的見解は広く 流布されている。しかし、本当にそうなのか。
私の推測は異なる。
私は、アメリカからのそうとうな圧力があったことが最大の
原因だと考えている。その根拠は、この間の政治的情報といく
つかのジャーナリズムの文章や記事からである。
よく言われていることだが、民族派然としている中曽根康弘
氏や石原慎太郎氏が、アメリカ政府の前では借りてきた猫のよ
うな、ほとんどアメリカ政府の一員、悪くいう輩にはアメリカ
CIAのスパイと推測する評論家さえいるのである。アメリカ
CIAのスパイなどとは軽々しく断定しがたいことではあるが
、決して全くの妄言とばかりは言っておられない状況的な判断
の史実がある。
それほどアメリカ政府の背後からの締め付けは強いのだろう 。
小沢氏はかつてアメリカ政府と蜜月を過ごしていた。アメリ
カは心臓病で悪化した小沢氏を米軍空軍ジェツト戦闘機で運ん
だことさえあった。そのアメリカ政府が小沢氏の日本の自立路
線をにがにがしく想候補でさえ、先日のような事務所襲撃があ
るアメリカの実態である。アメリカには、建国以来二つの相反
する二面性がある。
リンカーン大統領の奴隷解放宣言っていた。そうして、今回
の唐突な大転換。
ヒラリー・クリントン次期大統領有力やキング牧師の無抵抗
非暴力主義などのすぐれた民主主義的伝統。同時に数々の暴力
とその国家的行使。
そのような分析からすれば、おそらくアメリカ政府とその膨
大な利権と蜘蛛の巣状のスパイ情報連絡網は、一国覇権主義の
パックス・アメリカーナのもと、世界中に暗国民の主体形成の
努力こそ急がば回れのように、欠かせない営みと考えている。