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「現状分析と対抗戦略」討論欄

小澤一郎氏の大連立構想転換の謎に想う

2007/12/9 千坂 史郎

 或る同人雑誌の文章を読みながら、小沢氏が水面下で福田首 相と密約めいた会談を繰り広げたのは、小沢本人の欠陥である という論旨をいぶかしく想った。このような政治的見解は広く 流布されている。しかし、本当にそうなのか。

 私の推測は異なる。

 私は、アメリカからのそうとうな圧力があったことが最大の 原因だと考えている。その根拠は、この間の政治的情報といく つかのジャーナリズムの文章や記事からである。
 よく言われていることだが、民族派然としている中曽根康弘 氏や石原慎太郎氏が、アメリカ政府の前では借りてきた猫のよ うな、ほとんどアメリカ政府の一員、悪くいう輩にはアメリカ CIAのスパイと推測する評論家さえいるのである。アメリカ CIAのスパイなどとは軽々しく断定しがたいことではあるが 、決して全くの妄言とばかりは言っておられない状況的な判断 の史実がある。

 それほどアメリカ政府の背後からの締め付けは強いのだろう 。

 小沢氏はかつてアメリカ政府と蜜月を過ごしていた。アメリ カは心臓病で悪化した小沢氏を米軍空軍ジェツト戦闘機で運ん だことさえあった。そのアメリカ政府が小沢氏の日本の自立路 線をにがにがしく想候補でさえ、先日のような事務所襲撃があ るアメリカの実態である。アメリカには、建国以来二つの相反 する二面性がある。
 リンカーン大統領の奴隷解放宣言っていた。そうして、今回 の唐突な大転換。

 ヒラリー・クリントン次期大統領有力やキング牧師の無抵抗 非暴力主義などのすぐれた民主主義的伝統。同時に数々の暴力 とその国家的行使。
 そのような分析からすれば、おそらくアメリカ政府とその膨 大な利権と蜘蛛の巣状のスパイ情報連絡網は、一国覇権主義の パックス・アメリカーナのもと、世界中に暗国民の主体形成の 努力こそ急がば回れのように、欠かせない営みと考えている。