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「現状分析と対抗戦略」討論欄

二つの武器だけで自公政権を潰せる

2007/12/22 人文学徒

 表題のことを僕は今、あちらこちらに書きまわっています。 一つは、来3~4月に期限切れになる「道路特定財源・暫定税 率」の問題。テロ特措法と同じように、参院野党過半数で「来 3月の暫定継続」を否決できるんです。すると後で述べるよう にテロ特措法の何倍も世の中が大騒ぎになりますから、何より も事の重大性や自公政権の悪辣性が、白日の下に曝されます。 幸い民主党税調幹部も正しくもこう語り、税調として「撤退か 引き下げ」の方針を決めたことですし。「国家の骨格を大転換 させるチャンスだ」(毎日新聞19日朝刊)。事の重大性や今 後の推移予想などを後述します。

NHK経営委員会長の暴挙

 もう一つは、このブログに3回も投稿された問題。これも来 1月に任期が切れるNHK会長の後任選出を進めているNHK 経営委員会の「醜い出来事の内部告発」のことです。次期総選 挙に向けて、自公政権の意を体していることが明きらかな古森 委員長が「12人の委員全員一致でNHK外部から後任を選ぶ ことに決定した」と発表した後、この発表に対して2人の内部 告発・抗議者が出た問題です。「12人のうち2人は『内部昇 格』、あとの2人は保留だったはず。どうして全員一致と述べ たのか」との抗議表明でした。会長選出には12委員中9名以 上の賛成が必要ということもあって、これは大事件です。しか も総選挙絡みの大事件なのです。古森委員長とは、先の参院選 挙の後でこういう発言をしでかして、大物議をかもした不見識 な人物ですから。
「選挙期間中の放送については、歴史ものなど微妙な政治問題 に結びつく可能性があるため、いつも以上にご注意願いたい」
 こうして、古森委員長のこういう一連の強権的行動が、自公 政権の「総選挙向け大戦略」の「NHK版」であることは明白 だと思います。そういう横暴な強権発揮の醜い結果に対して、 総選挙で勝ちたいはずの民主が手をこまねいているのは愚かな こと、内情暴露、告発などあらゆる手を尽くして事を荒立てて ほしいものです。報道の自由、民主化の大儀のためになります 。またこの闘いに勝てば、NHKが少しは国民の方を振り向く ことにもなるでしょうから。

「道路特定財源・暫定税率」問題

 以下は19日毎日新聞の要約のようなものです。他の新聞で は、なぜかまだ問題になっていないと思います。
 来3~4月に道路特定財源の暫定税率の期限が切れます。仮 に、テロ特措法で実現したような「撤退」となれば、例えばガ ソリン1リットル当たり24円30銭の税がなくなるというこ とです。他にも、軽油、自動車重量税、自動車取得税の一部も なくなり、なくなる税の合計は2.7兆円という大変な額です 。果たしてガソリン代や軽油代がリットル25円も下がるのかどうか 。こういう大変な問題が、参院の過半数野党の来年1月までの 動きに懸かっているんです。
 この問題で民主党が賛成する案が出されない場合の今後の推 移は、先に私たちがテロ特措法で参院野党過半数の威力を体験 したあの事件と、全く同じ経過をたどることになります。例え ばガソリン税は3月末で期限が切れます。すると自民党は1月 末に衆院を通し、参院で60日かけて否決になり、衆院3分の 2再可決でやっと3月末に間に合うということです。ただし、 テロ特措法のような3分の2再可決は、不可能でしょう。なん せこのご時世で、ガソリン代がリットル25円近く安くなるかという 事態、総選挙を控えて世論もマスコミも黙っていることはでき ないでしょうから。

この問題の重大な性格

 なお次に、この問題の意味の重大さを説明したいと思います 。
 道路行政が伏魔殿だとは有名な話。無料になったはずの高速 道路料金は一向になくなりませんし、建設予定高速道路も全て 作ると自公は息巻いています。さて、無料になるはずの高速道 路料金や暫定でリットル25円も高くしたガソリン代、軽油代!!  これらの金は物流にも跳ね返り物価を高めているのは間違いあ りません。これら全てを含めたら、国民一人当たり年額でどれ だけの金額になることでしょう。高齢者や低所得者のほとんど では、軽く所得税を超えることは間違いないところです。
 皆さん、おかしいとは思いませんか。税をとってはいけない 人からこっそりと「暫定税」を取っているのです。こんなこと が許されてきたとは、なんと「優しい国民、易しい行政」では ないでしょうか。しかもこれでもって「日本は世界で非常に税 が安い国」と国が威張っているという始末です。原則的におか しいことでしょう。このおかしさが、参院野党過半数で初めて 白日の下に曝されるに至ったわけで、「伏魔殿・道路行政」、 「隠れ悪辣税制」の民主化という大儀のために、マスコミや民 主党の尻をたたく絶好の機会と思うのです。

 ただこの問題、難しくもあります。なんせ自民党の生命線。 道路族のボス・古賀誠が確か選挙対策委員長を引き受け、次期 総選挙への公認問題でにらみを利かせています。なんか、凄い 実力者らしい。かの旧宮沢派だったかな。
 また、テロ特措法のときに「国益」とか「国際社会貢献」と かをアメリカのために言い立てた緩い扱いを見れば分かるよう に、マスコミのこの問題の扱いも目に見えるようです。
「野党は、対案を出せ」
「財源もないままに、無責任なことを言うな」
 そして、こう語るこの人たちが、高価なSM3の「実験」と いう名の「消費」にも、総額どれだけになるか分からないミサ イル防衛計画(こういう予算は、『時価』ということで当初よ りもどんどんあがっていきます)本体にも、普天間基地などの 思いやり予算にも、防衛省がアメリカや業者の言い値で武器を 買ったその元凶へのいい加減な捜査にも、これら全ての背後に いるはずの防衛族議員をうやむやにするだろうそのやり方にも 、まったくマスコミは関連言及をしないのでしょう。

ネットで騒ごう

 このようなNHK会長後任選出問題、「道路特定財源・暫定 税率」問題、この二つを、皆さん、問題の重大性にふさわしく 関係するネットなどで大騒ぎをしませんか。この二つの問題に ついて、マスコミが扱わざるを得ないように。そうすれば次期 総選挙で自公政権は潰れること間違いなしと思います。
 NHK問題はもう全ての新聞が扱っていますが、道路特定財 源暫定税率問題はまだまだ扱いが小さいです。20日夕刊に来 年度予算原案が載ったのですが、朝日新聞は「道路特定財源・ 暫定税率」という言葉は使いながら、この問題には全く触れて いませんでした。これではだめです。

追加、「21日の毎日、朝日では」

 上の投稿は20日深夜(21日午前0時過ぎ)に送ったもの。今朝起きて見た21日の朝刊はどれも来年度予算原案で満艦飾です。
 「道路財源、暫定税率」問題は朝日新聞ではどうなっていたと思います? この言葉だけは(本当に言葉だけなのです。それも何箇所かに分けて)存在しても、その上のような意味は全く書いてはありません。朝日を取っている方の参考のために、ちょっと見てみましょう。
 1面です。左上に「08年度の暮らしはどうなる?」という赤青で染めたイラストがありますね。その赤の方、最下段を見てください。「ガソリン税への税率上乗せを10年延長、1リットル25円」とだけあるでしょう。これがそれです。あと10年もガソリン暫定税を1リットル25円ずつ取られる法律がこの3月に決まるなんて、誰が読めますか?
 毎日は、予算原案報告とは別に第5面右上に、こうです。
「道路財源 民主、暫定税率撤廃案」
「『脱・自民型』で地方対策」
 内容は複雑なので省きますが、どうやらテロ特措法と同様に、「すべての暫定税率を撤廃する方針を固めた」とのこと。
 1月国会から、テロ特措法以上に、事柄の性質上これは荒れますよね。よい事と思います。

 でも、新聞によってどうしてこうも記事が違うのでしょう。朝日でこうなら、読売、産経、NHKが扱うとも思えないし。現在はこの問題、毎日の孤軍奮闘なのでしょうか?